有珠山噴火災害救援対策活動

   「有珠山噴火災害に関する緊急要請」を首相に申し入れ(4月7日)
   「被災地救援街頭緊急カンパ」(4月2日)


 3月31日から起きている有珠山の噴火は、その後も洞爺湖温泉街の近くで活動が活発になり、周辺住民の避難や鉄道、道路の不通などで、農・漁業、観光産業などは大打撃を受けています。
 今後、どのように推移するのか予断を許しませんが、噴火活動の経過によっては、重大な被害が予測されています。
有珠山噴火災害に関して総理に申し入れする横路孝弘 この噴火による被災地の救援のため、横路孝弘は「民主党有珠山周辺災害対策本部」の本部長代理として、知事時代の「十勝岳噴火」「奥尻地震災害」の経験を活かし、対策本部スタッフとともに避難住民の安全対策や全国から駆けつけたボランティアの要請に応じています。
 また札幌市内各所で行われた「災害救援街頭カンパ」では、マイク片手にカンパを呼びかけ、買い物途中の家族連れや若者から多くの義援金が寄せられました。
 この義援金は北海道災害対策本部に送り、被災地救援に役立ててもらいます。皆様のあたたかい善意、本当にありがとうございました。
 4月7日に横路孝弘は鳩山代表らとともに、被害を受けている地域住民・経済への国の具体的支援として、@仮設住宅対策についてはペンション・ホテル・旅館等の借上げと国の補助を実現する、A避難者への生活福祉資金の貸し付けにあたっては融資枠拡充や貸付条件緩和をはかる、B観光・農林水産業など被災事業者に対して緊急融資策や負債等に対する返済の一時凍結・利子免除などの処置を講ずる、などの緊急申し入れ文書を森総理に手渡しました。
 (写真右から佐々木秀典衆議、竹村泰子参議、横路孝弘衆議、池端清一衆議、鳩山由紀夫民主党代表、森総理)

有珠山噴火災害に関する緊急申し入れ

 先月31日に噴火を開始した有珠山では、その後も活発な火山活動が続いており、より大規模な噴火の恐れも指摘されています。その状況のもとで有珠山周辺住民は不便な避難生活を余儀なくされており、雇用に対する不安とあわせ、生活環境に与える影響はより深刻なものとなっています。また周辺観光事業者や農林漁業に与える損失は膨大になるものと予想されることから、地域経済全体に与える壊滅的な影響が懸念されています。
 よって民主党は政府に対し、大規模噴火が万一発生した場合においては周辺住民の人命・財産の保全のため迅速な対応を行うよう要請するとともに、次の事項についてもより一層の取り組みを行うよう申し入れます。

1.今後、避難生活の長期化が予想されるため、仮設住宅対策については従来方式にこだわることなく、ペンション・ホテル・旅館等の借上げ(※1)による実施と、それに対する国の補助を実現すること

2.避難者に対する生活福祉資金(※2)の貸付にあたっては、融資枠の拡充や貸付条件の緩和等の措置を講じること。また今後万一被害が拡大した場合の災害救護資金貸付金(※3)については、所得制限や損害要件等の貸付条件の緩和、および手続きの簡素化など、柔軟かつ機動的な措置を講じること。

3.雇用確保に万全を期すため、被災地域周辺の事業所を雇用調整助成金(※4)の支給対象とすることにより、中小企業従業員への給与の支払いを確保すること。また、緊急地域雇用特別交付金(※5)を活用することにより、被災地域周辺における雇用促進策を講じること。

4.地元観光業や農林水産業など、噴火による事業休止を余儀なくされた被災事業者に対して、緊急融資策や負債等に対する返済の一時凍結、および返済凍結期間中の利子免除措置等を万全に講じること(※6)


平成12年4月7日
                                  民主党有珠山周辺災害対策本部本部長
                                                  鳩山 由紀夫
内閣総理大臣
森  喜 朗 殿


(別表)
また、次の項目についても、あわせて政府の取り組みをより一層行うよう申し入れます。

(避難対策・応急対策について)
・避難所の設置にあたっては、仮設浴場・仮設トイレ・仮設コインランドリーの設置など、避難者の生活環境に配慮した万全の体制を図ること。
・避難者に対する健康相談・健康診断・カウンセリング等の実施など、避難所の保健衛生対策に万全の措置を講じること。
・避難児童・生徒の教育環境に配慮し、応急教育の実施、通学手段の確保、教職員の加配など、必要な措置を講じること。
・行政とボランティア組織が密接に連携を図り、ボランティアによる避難所の運営支援など、現場の要求に的確な対応ができるよう、情報収集や調整等の措置を速やかに講じること。

(雇用対策について)
・雇用相談窓口を被災地域周辺に網羅的に配置し、避難者の雇用不安解消のための支援体制の強化を図ること。

(金融・商工関係対策について)
・噴火終息後は、被災企業の営業再開時における立ち上がり資金の支援策を万全に講じること。

(農林漁業関係対策について)
・深刻な被害が懸念されるハウス栽培や畜産、ホタテ養殖等の農林水産業について、制度資金の融資条件の緩和等を通じた対策に万全を期すこと。

(中・長期的対策について)

・災害救助・応急対策事業にかかる自治体の財政需要の増大に鑑み、財政援助等の必要な措置を早急に講じること。
・噴火終息後の復興対策については、まちづくりのあり方や、観光業・農林業等の地域振興策等について、中・長期的観点からのトータルビジョンを策定すること。

※1
 理由@ 避難所・仮設住宅としてホテル等を利用することについて、現在の厚生省のスタンスは以下の通り。
  ・避難所として:旅館・ホテル等の借上げについては、高齢者・障害者などに限定して実施可能。
  ・仮設住宅として:自炊設備等の自立生活を担う設備が乏しいことを理由に、仮設住宅として適切ではない。
  →つまり、避難所については限定的に実施可能だが、仮設住宅は困難というのが厚生省に言い分。
 理由A プレハブによる仮設住宅はコスト高(撤去費用を含め一世帯あたり250万〜300万円)。
  →ペンション・ホテル・旅館等を借上げた方が、観光客減による観光事業者救済も兼ね効果的。
※2
 「生活福祉資金貸付(小口資金)」 根拠:厚生事務次官通知による
 →被災により生活困窮している世帯が対象(低所得者に限定せず)。機動的運用が可能だが限度額10万円と少ない。
※3
 「災害援護資金貸付金」 根拠:災害弔慰金法の規定による
 →災害により世帯主が負傷、または住居・家財1/3以上の被害を受けた世帯に限定。
  ☆所得制限;2人世帯390万円  4人世帯650万円
  (今回の有珠山噴火については、現時点ではこのような被害を受けた方がいないため、制度の適用とはなっていない)
※4
 「雇用調整助成金」 ☆雇用保険の雇用安定事業の一種
 →各種の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者の休業等を行う事業主に対し、雇用維持のため休業手当て・賃金等の一部を助成金として支給する制度。有珠山被害についても、適用は可能と労働省は回答。
  ☆助成率;中小企業2/3  大企業1/2
※5
 「緊急地域雇用特別交付金」 ☆臨時的な雇用の場を創出するため
 →平成11〜13年までの措置として、北海道に対し既に約110億円を交付し、道は基金を造成済み。有珠山被害についても、活用は可能と労働省は回答。
※6
 ・政府系金融機関による融資枠の設定や返済条件の緩和は、措置がされつつあるところ。
 ・しかし民間金融機関の債権についても同様の要望が強い。
 →措置をとる旨、金融監督庁から民間金融機関へ要請しているが、対応は民間ベースに委ねざるを得ないとのこと。