おしえて横路さん Q&A                     
年金・医療・介護 これでいいのか 社会保障!!

よこみち孝弘ネットワーク通信No.34 2〜4ページ

社会保障制度の現状と問題点

 我が国もますます高齢者社会になって、65歳以上人口が20%を超え、高齢者世帯も449万世帯となっている。
 他方、子供は少なく15歳未満の人口は総人口の13.0%とアメリカの20.5%、中国の19.8%に比べて少子高齢化社会になっている。
 このような日本の現状で、年金・医療・介護をはじめ、社会保障の重要性はますます高まっている。
 しかしこの間の政権は、自己責任の名の下に政府の負担を減らし、国民負担を増加させ、またサービスの低下をもたらしている。
 日本社会の最大の課題のひとつは、「税負担と社会保障のあり方」である。
今回、「横路さんとQ&A」で、いくつかの問題点を明らかにしていただいた。



年 金

Q.国民年金は未納が多いと聞きますが・・・
A.2006年度でいいますと、
   保険料収入    1兆9038億円(40.0%)
   未納         1兆8647億円(39.2%)
   時効による欠損    9864億円(20.7%)
となっています。40%しか納入されていません、あきれるばかりです。
 もともと自営業の人々のためにスタートした国民年金ですが、いまはパートやアルバイト、失業している人が多数を占めています。

Q.どうしたら解決できますか?
A.すでに年金を受けとっている人、保険料を納めている人の既得権はしっかり守ることを前提として、民主党の主張のように、ひとつの年金制度にして基礎年金部分は全額税で負担することにしますと解決します。

Q.消えた年金5000万件はどうなりましたか?
A.政府は「平成20年3月までに名寄せを完了。最後の一人まで年金を払います」と言っており、舛添厚生労働大臣も「最後の一人、最後の1円まで確実にやります」と答えていましたが、もう不可能になっています。

Q.どうしてですか?
A.堀田力さんが責任者になってすすめていた検証委員会(総務省管轄)の報告が出されました。
 それによると、この委員会が7840件の抽出サンプル調査をしたのですが、その結果、氏名の変更や入力ミスで特定困難なものが、実に38.5%もあったのです。なかには氏名のないものが9.6%もありました。
 コンピュータに未入力の厚生年金1430万件の場合は、実に64.4%も不明です。

 (図・グラフあり)

Q.ひどいですね。
A.5000万件のうち600万件は、氏名・生年月日・性別の三条件がほぼ一致したとのことで、本人に確認のために記録を通知するようになりましたが、それ以外は不明のままなのです。

Q.訂正の申し入れを第三者委員会に行った人はどうなっていますか?
A.申し立てた人は25,000人です。そのうち認められた人はわずか450人、審査が 終わった人は全体の2.3%にすぎません。この人たちだけで10年もかかる状況です。ひどいですね、あきれてものも言えません。

Q.どうすればよいのですか?
A.民主党が主張しているとおり、コンピュータに入力している記録と台帳と突きあわせなければなりません。これをしっかりやることです。

Q.パートの人の年金、特に厚生年金への適用を拡大することはどうなりました?
A.今までは、労働時間週30時間以上の人に適用されていましたが、今回の改正で@週労働時間20時間以上、A賃金が月98,000円以上、B勤務期間が1年以上、C中小企業は除くとなりましたが、結局週20〜30時間働いている人、310万人のうち10%に満たない程度の運用にすぎず、解決になっていません。

 (図・グラフあり)

Q.その他、どんな問題がありますか・・
A.例えば年金の受給に必要な加入期間が日本は長すぎます。
 日本は25年必要ですが、外国では英国11年、米国10年、ドイツでは5年です。日本も5年とか10年にして、あとは収めた保険料に応じて年金を受け取るようにすればよいのです。
 また、グリーンピアなどへ年金の流用が総額6兆7878億円もありましたので、民主党は年金保険料の給付以外への禁止の法律を参議院に提出し、与党の反対のなか参議院で可決しました。



医 療

Q.日本の医療制度は世界のなかでは、どんな評価を受けているのでしょう・・・
A.「何時でも」「どこでも」「誰でも」病気になれば、病院で診てもらえます。国民皆保険制度です。諸外国に比べて少ない医療費で、質の高い医療を維持できるのは、医療従事者の献身的な努力の結果です。
 また勤務医の労働条件はひどいものです。

 (図・グラフあり)

Q.しかし国民負担は増えていますね・・・
A.ヨーロッパでは窓口負担は原則無料です。
 小泉内閣がこれまで進めてきた健保本人3割負担、高齢者への負担増など相次ぐ医療改悪で、ただでさえ日本の窓口負担は先進国一高くなっており、今でも国民の間で、病気になっても受診しない傾向が広がっています。
 さらに、負担増を行えば、このような状況が一層悪化することは明らかです。ヨーロッパでは窓口負担は原則無料が当たり前です。

 (図・グラフあり)

Q.高齢者の負担も増えますね・・・
A.そうです。2008年4月から70歳〜74歳の人の病院窓口での自己負担は1割から2割へ、75歳以上の人は新しい医療保険制度がスタートし、保険料を(全国平均72,000円、北海道は73,876円−厚生労働省07年11月27日推計−)ひとりひとり払うことになります。(北海道で年額201万円の厚生年金受給者負担は80,700円)

Q.凍結するという話もありますが・・・
A.衆院選挙の終わるまで凍結という恥ずべきことをやっています。
 70歳〜74歳の人の負担は1年間1割負担で、75歳以上の方の保険料は半年凍結するというのです。

Q.どうして75歳以上の人々の新しい制度を作るのですか?
A.医療費を抑制するためです。
 「老人には安上がりの医療」をというわけで、外来診療に定額報酬の導入(定額になると医師はその範囲のなかでの治療になる。ベストではなくなる)や、診療をしてもらえる病院を制限すること(フリーアクセスの禁止)などが議論されています。

Q.医師不足が全国各地でいわれていますが・・・
A.そのとおりです。小児科も外科も緊急も内科医まで、医師不足による医療機関の廃院や診療科の閉鎖が深刻な社会問題になっています。「産科が相次いで閉院。市外まで行かなければ出産できない」「50キロ離れた産科病院に救急車で移動中、車中で出産した。」
 2002年に全国6000ヶ所とされていた産婦人科施設ですが、実際に分娩を行っているのは3000ヶ所になっていることが2005年の学会調査で明らかになっています。
 その後も「産科医師が足りず、安全性が保てない」「採算が取れない」などと、分娩を取りやめる産科医療機関が続出しています。産科にとどまらず、小児科、外科、救急を受け入れる病院などもどんどん地域から姿を消しています。
 日本の医療制度は大きな歪みを持っています。
 政府が長年医療にお金をかけなかったため、日本の医療費は、先進7カ国で最低水準になっています。
 その一方、患者負担は先進国一高くなっています。

 (図・グラフあり)

Q.外国と比較してどうですか?
A.医師や看護師が少ないのです。

 (図・グラフあり)

Q.病院はどのような状況ですか?
A.病院・病床も削減されます。
 自治体病院もこの5年間で289病院がやめています。また療養病床も介護型,医療型など38万床が15万床へ減らされます。
 受け皿がありません。無責任な政策です。

 (図・グラフあり)

Q.民主党の政策はどうですか?
A.医師を確保するため10%削減された医学部定員を元に戻すこと。
 勤務医の勤務条件の改善、女性医師のための院内保育所の充実などを行い、医師不足を解消します。
 また、急性期の病院、回復期の病院、療養型施設、かかりつけ医などの機能や専門別の地域ネットワークを作っていきます。
 75歳以上の新しい制度は反対です。参院選の公約を実現していきます。



薬害肝炎

Q.薬害肝炎もひどい問題ですね・・・
A.フィブリノゲン(非加熱血液製剤)という止血剤として使われるものですが、肝炎ウイルスに汚染されていたのです。
 潜伏期間が長く、放置すると肝硬変・肝がんになるといわれています。
 30万人の人が産科や外科で投与され、1万人以上がC型肝炎ウイルスに感染したといわれています。

Q.問題が明らかになったのは、いつ頃なのでしょうか?
A.アメリカで1964年に販売されましたが、1977年に製造の承認取り消しになっています。日本では1987年厚生省がミドリ十字に調査を指示しています。10年間も放置していたのです。
 しかも2002年に肝炎ウイルスに感染した疑いのある418人のリストが厚生省に提出されていたのですが、倉庫の中に放置されていました。
 本人に通知すれば治療することも出来たと思いますが、厚生省の調査によると418人のうち38人が死亡、治療中・治療済みの人が36人、他はまだ不明とのことです。
 告知の遅れで死亡した人もいるかもしれません。

Q.ひどいですね。
A.そのとおりです。そしてこのミドリ十字は薬害エイズの問題を引きおこした会社です。
 しかもこの会社はもともと1950年に「日本ブラッドバンク」として、朝鮮戦争のときの米兵の輸血のために作られた会社なのです。
 そして取締役6人のうち3人があの「731部隊」のメンバーであり、bQだった内藤良一が社長だったのです。生物兵器を作り、「マルタ」と称して3000人の人間を生体実験に使った。そして資料をアメリカに提供して戦犯追及から逃れた人たちなのです。
 日本が戦後、こうした戦争中のことをしっかり追究解明しておれば、薬害エイズも薬害肝炎も起きなかったと思います。
 国と医療品メーカー(現在、田辺三菱製薬)の責任で、保障と治療に責任を持つべきだと思います。国の責任は大きいです。



介護保険


Q.介護保険の運営状況はどうですか?
A.介護保険の対象者は410万人(2004年)、2014年には640万人になります。
 認知症の人も170万人、2015年には250万人になります。
 職員は100万人(2004年)、2014年には140〜160万人が必要です。

Q.問題は何なのですか・・・
A.ひとつは、介護の仕事をする人の給料が低すぎてやめる人が多く、離職者が20%おり、介護福祉士の資格を持っている人が47万人いるのに、働いている人は27万人にすぎません。介護施設の非正規社員は40%おり、訪問介護の人は80%がパートです。
 しかも給料は時給800円程度。施設の職員も月数日の夜勤をこなして手取りは12〜13万円程度です。

Q.どういう仕組みなのですか?
A.政府が介護報酬を細かく決めています。また人の配置も定められています。
 この介護報酬を改正の度に下げているのです。ですから企業はサービスを低下させたり、給与を下げることになってしまうのです。
 介護保険料は24%も負担増になり、低所得者ほど重い負担になっています。定率負担にかえることも議論が必要です。

Q.どうすればよいのですか?
A.人員配置基準や介護報酬の引き上げが必要です。
 そうして報酬を人件費分と管理分に区分し使途を限定して支給することが必要です。介護サービスは人手と人材が決め手です。
 今のままでは介護難民が生れると指摘されています。

Q.その他の問題は・・・
A.区分の変更で要介護が要支援にかわると支給限度額がかわり、サービス内容が削減された人が急増しています。
 そのため予防給付の給付額が、2006年度当初予算の50%に満たない市町村が60%もある始末です。
 また、特別養護老人ホームの待機者は35万人もいる状況です。

以上
(図・グラフはネットワーク通信には掲載しております。ネットワーク通信は東京ならびに札幌事務所にございますし、遠方の方は、ご連絡いただければ郵送いたします)