障害者自立支援法・介護保険制度について実態調査

よこみち孝弘ネットワーク通信No.30 5ページ

 横路さんは札幌市と近郊の障がい者小規模作業所や老人保健施設などを訪問し、障害者自立支援法や介護保険制度について意見や要望を熱心に聞き取りました。

<障がい者小規模作業所>

6月19日(月) オーロラ第2共同作業所
 ○障害者自立支援法は「施設から地域へ」という障がい者福祉の理念から逆行するものだ。
 ○1割負担や利用料・食費の自己負担で利用を控える人が多くなった。

6月20日(火) NPO法人札幌・障害者活動支援センターライフ
 ○札幌市は障がい認定作業が遅れている。
 ○障がい者が作業所に1割払うのはおかしい。
 ○法律上労働契約になると思うが労災適用されるのか。最低賃金制度はあるのか。

6月20日(火) 北海道社会福祉事業団 福祉村
 障がい者自身が設立に尽力した施設で、地域とのつながりも深い。重度障がい者が活動しながら生活できる施設として高い評価を得ていたが、現在は道が補助金を削減したため授産活動を停止、食事と寝るだけの場所となってしまった。
 ○働く場がなく、ただ寝泊りするだけ。人間の尊厳が奪われている。
 ○障がい認定区分を受けると今より下がり、施設から出なければならず、夫婦別々に暮らさなければならない。

6月21日(水) 生活実習共同作業所 つくしの会
 ○1次認定106項目では低い障がい区分になってしまい、今までのサービスが受けられなくなる。
 ○施設から出されたら老いた両親と子供だけで生活しなければならない。心中だ。受け入れ体制や施設があれば在宅で頑張れる。
 ○支援費制度では週30時間負担ゼロだったのに、これから1割負担や利用料などがかかる。

6月21日(水) 脳外傷(高次脳機能障がい者)友の会 コロポックル
 ○3障がいの枠の中に入れるのか不安。1次認定でも健常者と同じ。手帳は精神手帳に分類。
 ○作業所とするよりは、一人一人を企業に入れる努力をしようという目的を掲げている。高次脳機能障がいは最初は手間や時間はかかるけど、その後はすばらしい働きをする。
 ○高次脳機能障がい者は増えているがまだ社会的認知が低い。障がいのひとつとして政府が認定し、私たちの活動を支援してほしい。

6月22日(木) あいのさとアクティビティセンター
 ○収入減が大きな痛手。国などからの予算・補助金が減らされた。どうしようもない。障がい者年金2級で生活保護レベルに上げるべき。また知的障がい者の認定区分が低く実態に合わない。


<老人保健施設>

6月20日(火) (社福)愛和福祉会 平和の杜
 ○介護単価が下げられ、大幅収入減。ある施設ではパートを増やして利益を出そうとしているが、介護レベルは下がってしまう。
 ○家族と同居している介護サービス利用者の負担が増えた。(食費1日1380円+部屋代320円…月51000円)

6月21日(水) 愛全会グループホーム 「アビターレ」
 ○要支援1や非該当になって、施設から在宅介護になっても充分なサービスができず、両方不満。サービスを受けないと悪化して施設に戻ってきてしまう。
 ○予防介護しても改善することはゼロ。よくて維持。

6月23日(金) ノテ福祉会 アンデルセン福祉村
 ○食費自己負担の影響が大きい。基本単価も下がり、収益はほとんどない。
 ○自己負担が増え、自宅に戻り生活保護を受ける方が増えた。


 障害者自立支援法は昨年秋の総選挙で大勝した連立与党によって強行成立された法律。先進国は障がい者福祉を税で負担しており、障がい者本人に自己負担させている国は日本以外ありません。「施設から地域へ」などの理念を掲げていた支援費制度とは違い、「障がい者の自立を阻害する法律」と言われています。
 また介護保険制度においても、利用者にとっては保険料の値上がり、事業者にとっては単価の値下がりなどで、どちらも現状や将来への不安を抱えています。
 横路さんは施設をまわって意見や要望を聞き、今回寄せられた問合せや要望については、すぐに厚生労働省に連絡もしくは交渉し、解決に向けて取り組んでおります。