原発・武器・カジノが未来の成長産業?!

 

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 暑い夏もそろそろ過ぎようかという状況ですが、いかがお過ごしでしょうか。

 さてアベノミクスの現状をどう考えるかということなんですが、安倍さんの政策の中心は新自由主義の「トリクルダウン」という政策なんですね。つまり大企業やお金を持っている人をさらに金持ちにし、さらに強くすると、その人たちから滴が垂れてきて、中小企業や個人を引き上げるという理屈なんですね。
 でも全然滴は垂れてきません。それどころかむしろ格差がどんどん拡大しています。

 ともかく安倍さんの政策は大企業中心ですよね。まずひとつは年金の積立金を株式市場に大量投入して、株価のつり上げを図っています。アメリカでさえ年金の積立金を市場に任せるというようなことはやっていません。130兆円の積立金のうち、いま国内のそういう債券・株は12%。それを20%に引き上げるというわけです。大量のお金が株に投入され、それで株価を維持するといっても、実体経済とは関係のない話です。

 2点目は、国民には消費税の負担を強いて、企業には法人税を引き下げるというわけですね。
 増税は何のためにしたのか。財政再建と社会保障の安定のためです。ところがもっぱら景気が悪くなるからといって公共事業に投資しています。この上に法人税を引き下げる、29%台にするということのようですが、財源がどこにあるのか、3兆円かかるのです。そこでいま中小企業から取ろうということで、外形標準課税の対象を拡大すること、中小企業の軽減税率をやめること、NPOを育てていくということで寄付を税扱いにしようという政策ですが、これも見直しをするという、とんでもないことを考えています。
 法人税を引き下げて、いったいそれが本当に働いている人の給与や国内の設備投資に回っているかというと、過去の例を見ると全然回っていません。いま大企業の内部留保は304兆円もあるんですね。主に海外企業の買収などに使われています。

 3番目は、過労死が大きな問題になって、国会でも超党派で過労死防止の法案を作ったにもかかわらず、逆に残業代ゼロ法案を通そうというわけです。あの問題になりました「すき家」では、月500時間労働だというんですね。月500時間労働というのは、毎日働いていても1日17時間の労働ですよ。もし休みを取って25日働いたとすれば、1日20時間労働ですよ。往復の通勤時間を考えたらいったい何時間の睡眠時間があるのでしょうか。
 こんなバカな現実というものを変えていくためにはどうするか。労働時間の上限規制を厳しくし、労働から労働の間の時間「インターバル」をしっかり取ることが大事だと思います。

 次に、外国人労働者を導入しようとしています。いま72万人います。しかしこの人たちもいろいろとたとえばパスポートを取り上げられたり、家族を日本に呼べないとかいろんな制限があります。いまの3年を5年に延ばすというようなことを考えて、主に建設だとか運輸関係、あるいは家事労働の分野に入れようとしています。
 そんなことをすればますます給料は下がっていくという現実にあるわけでありまして、とんでもない話だと思います。

 もうひとつ、安倍さんは原発と武器とカジノ誘致に一生懸命になっています。原発と武器とカジノですよ、これが未来の成長産業なんでしょうか。もうすでに地対空ミサイルPAC2の部品がアメリカへ、日英共同開発のF35搭載ミサイルはイスラエルへ行きます。インドとは水陸両用飛行艇の開発、イギリスとは生物化学用防護服の共同開発、フランスとは無人の潜水艇、オーストラリアとは潜水艦…。こういうような協議が始まっているのであります。
 いったいこんな武器に依存するような日本の経済・社会、こういうものを成長産業と呼ぶのでしょうか。
 一方で格差が拡大し、生活保護家庭が増え、金融資産ゼロの世帯もどんどん増えています。世帯収入が200万円以下という家庭が20%もいるような日本の社会です。社会保障の負担は増加し、実質賃金は低下し、中間層が疲弊しているニッポン。
 早く安倍政権を倒さなければなりません。



   2014年 9月 1日

横 路  孝 弘