政府広報媒体に堕落したNHKとその会長の暴論

 

 皆さんこんにちは。ようやく春めいて参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 私は今国会では法務委員会に所属して、少年法の改正でございますとか、そういう問題の取り扱いをしております。

 安倍さんのこの1年間を考えてみますと、ひとつは国家安全保障会議をつくりました。情報を収集するということですが、しかし同時に情報収集で何をやるかというと通信傍受法で、盗聴にはいま制限があり、裁判所の許可などが必要なのですが、それを改正して自由にしかも屋内盗聴も認めようじゃないかなんていう議論も出てきています。

 特定秘密保護法案ができました。この中でまた共謀罪を制定しようというような動きにもなっています
 集団的自衛権の行使がいよいよ具体化しようとしています。ようするに、日本が何も攻撃を受けていないのに、第三国が攻撃を受けた時にそれを助ける、まあ今は現実的に言えばアメリカでしょう。しかしそうなったらどうなるかというと、世界の戦争に参加することになります。政府はそれをそんなに広げないように狭めると言っていますが、憲法の解釈として集団的自衛権の行使を認めてしまえば、どこで制限するのかわかりません。法律で制限するとすれば法律改正すればいいわけですが、そんなことにはなりません。ともかくこれを認めては絶対にいけないと思っています。

 軍事予算も拡大し、陸上自衛隊では5千人増強して、海兵隊のような上陸作戦を行う部隊を新設いたします。
 武器の輸出も自由にして、これからの日本は原発と武器の輸出をメインにしていこうと、これが安倍さんの言うアベノミクスでございますが、とんでもない話だと思っております。

 特に問題なのは、法制局長官やNHK会長を自分の支配下に置いたということでございまして、NHKのあの責任者の発言はもう本当に暴論ですよね。政府が右と言っているものを左と放送するわけにはいかないというようなことを言って、もう現実にいくつも具体的な事例が表れています。
 まずは昨年12月の天皇誕生日の時に、天皇陛下が戦後の日本は平和と民主主義の憲法をつくって、その憲法のもとでみんな国民ががんばってきて今日の社会をつくったという発言の一番中核の部分をカットして放送したのはNHKだけです。
 森元総理がソチオリンピックの時に浅田真央さんを、あの子は大事な時にコケてしまうんだと批判したことを放送しなかったのはNHKです。どうして放送にならなかったのかというと、スポーツ担当はもちろん放送を主張したけれども、政治関係から抑えがかかって、あの放送はしないことになったということであります。
 国会における議論も、安倍さんの答弁だけは取り繕っていいところだけを表に出しています。そして総理や閣僚がやったことはいちいち報道するということで、安倍政権になっていきなり放送が増えていることを気が付かれたでしょうか。そして政府批判は一切なくなりました。
 こういうもとで、国民はやはりNHKに対する信頼を寄せています。NHKを信用してやっているうちにいつの間にか昭和ひと桁、大日本帝国の道を歩まされるということになったのでは大変です。

 NHKはご存じのように、我々国民がお金を払って、それで成り立っているわけですね。今回のNHKの責任者、私どもの総務部会にやってきて、議員がいろいろ発言しているときに自席からヤジを飛ばすというこんなNHKの責任者を見たことありません。
 また国会で追及されると、追及した議員のことをネット上で批判するという総理大臣もかつて存在したことがありません。
 こんな支配体制の中に日本はあるんですね。ですからNHKに対しては、私どもは受信料を払っていることからも、このようなことに抗議の意思を示す行動が広がらない限り、NHKを変えるということにはならないように思います。
 NHKの中にも良識派はおり、実はみんなそういうことを願っているという人も多いわけでございます。ぜひこの点は周りの皆さんとも議論しながら、今のままの政府を一切批判しない政府広報媒体に堕落しているNHKというものを変えていかなければ、日本の将来は非常に危ういと、こんな思いを非常に強くいたしております。

 これから特に連休前後から集団的自衛権の行使の問題が議論されます。このことは本当に日本が戦争に参加するかどうか、日本がまた再び戦場になるかどうか、こういう問題でございますので、その点を十分ゆっくり私もあちこちで皆さんにお話をしたいと思っております。


   2014年 4月 3日

横 路  孝 弘