ニッポンを戦争のできる国にしてはならない

 

 明けましておめでとうございます、横路孝弘です。
 皆様も新しい年を迎えて、また新しい夢や希望、そして今年一年間張り切っていこうと新年を迎えられたことと思います。

 しかし日本の国は大変厳しい環境の中でこの年を迎えました。
 安倍政権が誕生しまして、今まで進めてきた一年間を振り返ってみますと、本当に将来が心配になります。

 まず最初に日銀の総裁を変えました。自分の言うことを聞く総裁にしたんですね。
 戦前、日本政府は日銀に国債を大乱発させて軍事費を調達しました。そういうこともありまして、中央銀行と政府というのは出来るだけ距離を置く、政治に対しては中立ということで運営されていたわけですが、今回安倍さんは自分の言うことを聞く人を総裁にしました。
 そして国債をどんどん買わせて、日銀の資産が倍になりました。実際に銀行にはお金が入ったわけですが、しかし貸し出しにはほとんど向いていないんですね、何も変わっていないんですよ。だから銀行の中にお金が貯まっているだけなんですね。

 次に内閣法制局長官も変えました。法制局は憲法解釈をする機関です、いろんな法律をチェックする機関です。そこの長官を集団的自衛権の行使を認めていることを公言している人に変えました。

 次にNHKの経営委員を変えました。経営委員を5人変えまして、そして自分の意見を通るようにしたんですね。この中には、日本の憲法は諸悪の根源である、憲法による民主主義によって戦後の日本社会は非常に悪い状況になったということを主張している学者も入っています。
 そのせいか、私がビックリしたのは、天皇陛下がお誕生日に80歳を迎えられたということで、天皇陛下は80年の間の印象に残ったこととしてやっぱり戦争を挙げました。そして戦争が終わった後に、平和と民主主義を基本とする憲法を作成し、その憲法を大切にして、みんなで力を合わせて日本の国は今日までやって参りました、というお話をされたんですね。民放はみんなそこのところを報道しているのに、NHKだけはその「平和と民主主義を基本とする憲法を大切にして」というくだりをカットしました。天皇陛下のお言葉までカットするNHK、つまりそれには安倍さんの意向が非常に強く、憲法改正論者ですから、入ってきているんですね。
 NHKもいよいよ政府広報に成り下がってしまいました。これから政府の批判をしっかりするということはNHKには出来ないでしょう。私どもはしっかりとNHKを監視する必要もあります。

 そして次に狙っているのは最高裁判所の長官を変えようということなんですね。司法も押さえ、マスコミも押さえ、そして法を解釈する法制局も押さえ、お金を出す日銀も押さえるという形で、何を目指しているのかというと、彼は戦争をして勝てる国を目指しているんですね。
 新年度予算が通ったあとに国会提出が予定されている国家安全保障基本法案という法案があります。この法案の中では、アメリカを含め他国と海外で軍事行動を共にすることができるようになっています。そして海外で軍事行動をしたときに勝てるようにしようということで、来年度予算案は2年続けて防衛予算が増えました。陸上自衛隊の定員を5000名増やすこと、そしてアメリカの海兵隊のような水陸両用の専門部隊をつくること、こういうことまで計画しています。さらには先制的に敵地を攻撃するためのミサイルを充実すること、敵地攻撃力です。敵という言葉がこういう形で使われることは今までの日本にはなかったことです。
 日本は平和憲法を持っています。仮想敵なんていうことを想定してやってはこなかったんですね。それを今回本格的に仮想敵、北朝鮮であり中国を仮想敵とすると、こういう方向性が出されたわけです。

 その上に安倍さんは靖国神社を参拝しました。靖国神社を参拝するということは、戦争で亡くなった方のご遺族の皆さんにとっては当然のことかもしれません。しかしその中に東京裁判でA級戦犯として処刑された人たちがあそこの中で合祀されているんですね。それをお参りするというのはどういうことなのかというと、日本はポツダム宣言を受け入れて、東京裁判を受け入れて、そしてサンフランシスコ平和条約で国際社会に復帰したんですよ。戦犯をお参りするということは何かというと、安倍さんの言葉でいうと、あの戦争は侵略ではないというわけでしょう。自衛のための戦争だという議論がありますよね。そのようにアメリカを含めて世界は見ているということなんです。

 これはもう本当に大変です。安倍政権を変えない限り、アジア、特に中国や韓国との友好的な関係を回復するのはなかなか難しいと思います。
 いったい日本をどこに持っていくのか。戦争をして勝てる国にというようなことを許してはなりません。そして教育や言論の統制、情報の管理、あとは特高警察をつくること、そんなことを許してはならないと思います。
今年も一所懸命頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。


   2014年 1月 6日

横 路  孝 弘