雇用政策で人口減少・少子高齢問題の解消を!

 

 皆さんこんにちは。
 今日お話ししているのは9月29日、ようやくあの暑かった夏も終わりを告げて、朝晩少し冷え込むような状況になりました。

 政治のほうでは、民主党の代表選、自民党の総裁選が終わりまして、それぞれ野田さんと安倍さんに決まりました。
 これからどうなるか。安倍さんの主張を聞いてみますと、集団的自衛権の行使を認める、つまりアメリカと一緒に軍事行動をするということですね。それから「河野談話」「村山談話」といった先の戦争の時のアジアに対する日本のいわば反省を示したこれらの談話については否定する、というか変えることを閣議決定でやりたいと言っています。
 そうでなくてもなかなか厳しい環境にある今の中国、韓国、あるいはアジア全体の状況の中で、いったいどういうことになるのか大変心配をしております。

 ところで、私は2週間ほど前にアメリカのワシントンに行き、毎年開催されているG8の下院議長会議に出席して参りました。テーマのひとつは、人口構造の変化とそのことが公共政策へどう影響するかということでした。
 ヨーロッパはほとんど移民を入れることによって人口の減少を防いでいるんですね。ロシアもソ連が崩壊してずっと人口が減っていたが、昨年からようやく増えた。それはみんな移民の流入だということです。

 日本はご承知のように2008年がピークでして、その後は下がっています。その下がり方もかなり激しくて、2060年つまり今から50年後どうなるかといいますと、人口は8674万人まで減少する。つまり50年間で4000万人の人口が減るんですね。人口の3分の1がいなくなっちゃんうです。
 これは本当に大変大きな問題でございまして、いま日本は世界の中で、65歳以上人口が24%、世界で一番多い。そして年少人口、いわゆる0歳から14歳まで、この人口割合は13%で、世界で少ない。つまり年少割合が最小、高齢者割合は世界最大となっています。
 さらに問題なのは、今から50年前の1960年は、夫婦に子どもの世帯と3世代を合わせますと80%占めていたんですよ。それが今はもうその半分の40%にまで減ってしまいまして、他方、単身世帯が32%、夫婦のみ世帯が20%と増加しています。

 このように人口が減少し、少子化高齢化が進み、単身世帯が増加する。こういう高齢社会になりますと、大変大きな影響や変化が地域社会の中に及びます。
 他方で、雇用形態が多様化する中で、所得格差も拡大していきます。低所得者も増加することによって、貧困層も増えていきます。

 なぜこんな人口減少になってこのような状況になっているのかというと、まずひとつは男性の結婚率が非常に少なくなっていっているんですね。いま30代前半の男性の未婚率は47%、女性は35%です。その理由は何かといいますと、ひとつはやはり収入が低い。いわゆる非正規社員が35%にもなってしまって、その賃金は正社員の6割くらいです。将来に本当に安定した仕事があるかといったらありません。
 こういう状況の中で結婚して子供を産むということはなかなかできないということで、男性のほうはまず収入の面から結婚は減っています。
 それから女性の場合は、結婚して家庭を持つのも、あるいは子どもを産んで育てるのもなかなか困難だということで未婚が増えている。晩婚化が進み、高齢出産が増えているという状況にございます。

 だから日本の一番の問題は何かというと、この人口の減少ということなんですね。
 そしてその大きな原因になっているのは雇用政策です。雇用状況の悪化がこうした様々な問題を引き起こしているわけで、同じような責任を持って同じ仕事をしていれば、給与や保険の適用なども同じにするということが必要ですし、特に女性の場合は仕事と家庭・育児の両立のための雇用環境や保育サービスの充実、あるいは子ども手当いまの児童手当の支給と、こういったいろんな面での応援がどうしても必要になってきています。それが先の社会保障と税の一体改革であります。
 少子高齢社会と言われてもう20年も30年も経っているわけですが、自民党が60年も政権をとっていていったい何をやっていたのか。ようやくそこに手をつけたというのが今回の改革の背景にあるものです。

 こうした人口減少問題はやはりもっともっとみんなが深刻に受け止めていかなければいけない。そして雇用をどうするか考えなければいけない。民主党政権になってからこの3年間で100万人くらい雇用が増えていますが、それは主として医療と介護、そして文教や教育の分野です。メガソーラーなど再生可能エネルギーの投資によっても雇用は増えています。
 こういった新しいことを目指していかなければ、また元の時代に戻るような、子どもを支援したり保育機能を充実するのはバラマキだと言っているような政治に戻ることは許してはならないと思います。


   2012年 9月 29日

横 路  孝 弘