予算関連法案が成立しないとどうなるか

 

 皆さんこんにちは、いかがお過ごしですか。
 国会もいよいよ大詰めを迎えております。
 今度の国会の大きな問題は、衆議院と参議院が逆転して、予算は1ヶ月経てば自然成立するのですが、関連の法案がどうなるかということで、自民党、公明党はじめ、野党の多くが従来の法案に対して反対を表明しています。
反対を表明して、成立しなかったらどうなるかということを、今日は少しお話したいと思います。

 大きな問題の一つは、「特例公債法案」です。
 これは来年度の予算案のうち、38兆2千億円の赤字国債の発行を財源に充てるということになっているんですね。予算のだいたい4割くらいです。
 これが年度内に成立しなかった場合どうなるかといいますと、毎月入ってくる税収もございます。それから20兆円の発行額がある政府短期証券というものもありますので、それがあれば6〜7月くらいまではやりくりできると財務省はしています。
 しかしそれを過ぎたら、予算の執行は出来なくなってしまうのです。公共事業の執行も凍結する、公務員の給与はカットしたり無給になる、基礎年金の国庫負担分の一部が確保できない。だから年金の支給や生活保護の支給など、ともかくあらゆる問題について予算の執行が無理になりますし、そうなれば日本は信用できないということで、国債はどんどん売られてしまいますし、国債の評価も下がると金利が上昇するということになって、経済は益々混乱するということになります。
 こういう重要な法案を本当に潰してしまっていいのでしょうか。

 あるいは、税制の改正法案があります。たとえば中小企業の場合の今の税制は18%です。それが今回の改正法案では15%に下げるというものなのですが、これが通らないと本則に戻ります。この税制にはもともと本則があって、それを特別措置で下げているのですが、本則に戻りますと22%に戻りますから、減税どころか4%の増税になるのです。中小企業も大変です。

 あるいは地方交付税。地方自治体に17.4兆円の交付税の配分が決まっています。毎年4月1日に交付決定がされて、4月分でもだいたい1兆5千億円から2兆円くらいが配れなくなりますので、自治体の資金繰りが非常に厳しくなります。

 それから関税の関連法案がありますが、415品目について、牛肉やチーズなどの関税が上がります。ステーキ肉ですと100グラムあたり11円、チーズが100グラムあたり10円の値上がりになりまして、415品目で物価が上がるのです。
いま国際的な石油不安とか穀物など国際価格がずっと上がっている中で、さらに国内のこうした税の措置によって上がるというようなことになると大変です。

 また子ども手当の法案が成立しないと、いわゆる児童手当法に戻ってしまうのです。そうすると支給対象者は児童手当ですと小学生以下です。子ども手当だと中学生以下という差もあります。
 それから所得制限が児童手当の場合あります。子ども手当にはありません。そうすると、支給する市町村などが混乱するんですね。これを処理する仕組みは児童手当のシステムから子ども手当のシステムにもう変わっているんです。ですから世論調査をやりますと、市町村の8割、自治体の8割は大きく混乱すると、都道府県や政令指定都市の回答などを見てますと。
 そしてだいたい3ヶ月以上は支給が遅れるだろうし、人によっては手当が打ち切られるというようなこともありうるということなのです。

 子ども手当というのはもともと、子どもは国の宝ということで、子どもをみんなで育てようという主旨です。というのは、いま子どもの貧困率が日本は世界の中でも非常に高くなっています。特に母子家庭の子どもの貧困率は世界一、二というような状況です。
 そして人間にとって大事なことは何かというと、やはりその人の受けた教育というのがその人の将来に非常に大きな影響を与えるのです。貧困ということが学力の低下にも影響しています。たとえば塾などに行って勉強するということがやはりないことになるわけですね。したがってそういう結果が出てきています。
 いま子どもにどれくらいお金がかかるかということを調べますと、食費や被服費などの生活費というのは平均で月だいたい1万3千円なんですね。それから基礎的な学費として保育料や学校の教育費などを考えますと、生活費と合わせて平均で月だいたい2万5千円なんです。
 だから2万6千円を支給するというのは何も勝手にやっているわけではなくて、こういう調査のデータの上に行われている数字なんですね。

 こういうようなことを様々考えますと、これからの国会でございますけれども、やはり与野党しっかり話をして、修正するところは修正するということでないと、今のような党派闘争を繰り返していたら、政治に対する不信感が一層強まるだけです。
 私は何とか与野党の話し合いが上手くいくような努力をこれからしなければいけないというように思っています。



   2011年 2月 27日

横 路  孝 弘