115万柱の遺骨収集は国の責任

 

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 参議院選挙は皆さんにご支援いただきながら、残念ながら敗北いたしまして、衆議院は与党が多数を持っていますが、参議院は逆転をしてしまいました。
 したがってこれからの国会運営はなかなか難しくなりますが、しかしこういう状況ですから、与野党が国会の中でしっかり話し合いをするということをせざるを得なくなっていますから、与党のほうも野党のほうもそういう方向で歩み始めております。
 参議院選挙後の臨時国会では議員提案の法律ではありましたが与野党ほぼ一致をして2本の法律を成立させたところでございます。

 私は参議院選挙が終わった後に、ジュネーブで開かれました世界各国の議長会議に出席いたしました。5年に1回開かれるもので、今回は127カ国の議長が集まりましたが、その中で私は核軍縮、核の拡散防止、そしてぜひ広島、長崎にも来ていただきたいと、核問題を中心に訴えてまいりました。

 今年は8月6日の広島、8月9日の長崎での平和記念式典に出席いたしましたが、8月6日の広島は本当に原爆が落ちたときのように、朝の8時、太陽がカンカンと照りつける中で、セミの鳴き声の中での平和式典でございました。

 今年は国連のパン・ギムン事務総長が出席されました。初めてのことです。それはやはり去年4月のアメリカのオバマ大統領のプラハでの演説、「核のない世界に向かって努力していこう」と、その後ロシアとの間で核の軍縮、核の保有弾道数を減らすということ、あるいは核のテロを防ごうという「核テロサミット」の開催。さらに核拡散防止条約の運用がどうなっているかという検討会議などが開かれまして、それぞれ一歩二歩ではありますけれども前進を見ているところでございまして、そうした国際的な反応の中、国連事務総長が出て、そして今まで出席することのなかったアメリカ、イギリス、フランスという核保有国が、特にアメリカの場合はルース大使が出席しました。
 やはりこのことは核のない世界に向かって一歩前進したということではないかと思います。

 8月9日の長崎は、その前日に浦上天主堂で平和を祈るコンサートというのがありまして出席いたしました。
 被爆したマリア様というのが飾られている中で1時間、静かに時を過ごして、本当に原爆の悲劇は長崎で最後にしなければいけないと、そんな思いでいっぱいでございました。

 8月15日の終戦記念日の式典には私も衆議院を代表して出席し、追悼の言葉を申し上げたところですが、その中で私が申し上げたのは、日本の国民で亡くなった人が300万人あまりおります。そのうちの軍人軍属が240万人なんです。240万人の軍人軍属のうち、遺骨が日本に帰ってきていない方が115万柱もあるんです。
 各国とも戦後は、やはり国の命令で戦争に参加して死んだ人の遺骨を収集するということをどこの国も熱心にやっているわけですが、日本の場合は、戦争が終わって65年も経ちながら、自分の国の領土であります硫黄島の中でさえ2万人あまり亡くなった兵隊さんのうち、4割しか遺骨収集できていないんです。まだ6割が放置されたままになっているわけです。
 これは本当に国の責任でありますし、いわば生き残った者の責任として収集をきちんとしなければいけない。菅総理になってから初めて、当面は硫黄島に絞った遺骨収集の特別班を設置しまして、それをしっかりやるというようにいわれています。
 中には自衛隊などが使っている飛行場の滑走路の下にも遺骨があるんじゃないかと言われていまして、本当にこれは酷いことだと思っています。

 時間が経つと人の記憶というのは薄れてきますし、あるいは惨禍を美化したり、真実を覆い隠そうというような動きも出てくるわけでございまして、この8月、広島、長崎、そしてあの日本の戦争といったことをみんなで考える機会にして、二度とそういうことが起きないように憲法をしっかり守って頑張っていかなければいけないと、そんな思いでいっぱいでございます。ありがとうございました。



   2010年 8月 17日

横 路  孝 弘