地球温暖化、原油高、食糧危機…
ほとんど進展しなかった「北海道洞爺湖サミット」


 

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 通常国会は終わりましたが、今度またすぐ8月下旬から臨時国会が開催される予定になっています。

 さて北海道洞爺湖で行われた先進国首脳会議G8サミットですが、地球温暖化防止の問題、食糧や原油高の問題、こういった1カ国では解決できない、しかもG8だけでも解決のできない地球上の問題というのが非常に多くなってきましたから、こうやって各国首脳が集まって意見を交わすということは、それはそれとして大変意味のあることであります。

 CO2の排出量が一番多いのはアメリカで世界の21%。その次に多いのが中国ということになっているわけですが、日本は2008年から2012年の5年間に1990年基準で6%減らすと決めたのが京都議定書ですね。
 ところが2006年の段階で日本は6.2%もプラスになっているんです。ですから今年からの5年間で合わせて12%を超える削減をしなければいけないわけですよ。
 経済界は横を向いています、まあ努力はするけれどもという程度で、他の国の排出権を買おうというようなことをやっています。これでは地球全体の温暖化防止にはなりませんね。

 今回のサミットで決まったことはどうも充分ではないんですね。2050年目標でもって、CO2の排出量を半減以下にするという目標といいますか、そういう価値観を共有しようということですが、共有するために先進国が何をやるかということは決めなかったんですね。
 EUは2020年までに20%減らす、できる国は30%減らすということを言っています。日本はそれに全く触れていません。2050年という40年も50年も先のことよりも、やはり段階的にどう減らしていくのかということが大事なのですが、その数値目標は出なかった。アメリカの大統領が変われば世の中少しは変わるかなと、こういう感じで今回のサミットは終わったわけであります。

 食糧についてですが、いま世界30数カ国で暴動が起きるくらい食糧は非常に厳しい不足状況にあります。
 我々が食糧として食べているものは、皆さんご承知のように小麦、米、それに大豆、トウモロコシ、ジャガイモです。これでだいたい食糧供給の半分を占めているわけです。その価格が、米が3倍くらい、小麦やトウモロコシは2倍以上に上がって、大変苦労している途上国が多いわけです。

 何が問題かといいますと、ひとつはやはりアメリカなんですね。トウモロコシからバイオエタノールを作るということで、トウモロコシの総生産量の3分の1くらいをバイオエタノールに消費しているわけです。アメリカは世界の生産の4割くらいを占めて、輸出は世界の7〜8割ですから、その輸出がやはり減っているわけですね。そこで価格が上がるという構造になっているわけです。
 本当はまず、食糧からバイオエタノールを採るのはやめようということをしっかりと決めれば一番良かったんですね。それが決められなかった。

 それから食糧品の輸出規制。食糧品の輸出供給国が輸出規制をかけてしまっているが、これはやはり解除しようということで合意ができました。
 同時に、アメリカやヨーロッパは輸出に補助金をつけて安い穀物を今まで輸出してきたんですね。その結果どうなったかというと、アフリカなどの農業をつぶしてきたんです。これをやめて、途上国の農業生産性を上げるために先進国が全面的に協力するという方針を明確に打ち出さなければいけなかったんですが、この輸出補助金をやめるという政策もはっきりしませんでした。
 そして日本を含めて各地で自給率の向上ですね。日本で言いますと、いまだいたい埼玉県くらいの面積の農地が耕作放棄地になっています。やはりもっともっと地産地消といいますか、それぞれの地域でつくるものを大事にするという方向をとっていかなければなりませんね。これもどうも不充分でした。

 原油高について言えば、国境を越えて動き回るマネーですね。こういう投機マネーの規制が本当は一番大事だったわけですが、これは議論もされないという残念な状態でした。
 1バレル140ドルでガソリンが1リットル180円。これから北海道は冬になり、灯油の価格はどうなるのでしょうか。
 こういう大変な問題の中で、はじめは「こういうものが上がるのは仕方がない」と福田首相は言っていたわけですが、国内的にどういう政策をとっていくのか。あらゆるものが上がって、低所得の人々が本当に厳しい生活を強いられている中で、臨時国会が始まります。
 ここでやはり政権交代ということで、今までの馴れ合いでやってきた癒着の関係というのはしっかり整理をして、ムダを無くしながら、社会保障の充実と税制の改正、そしてワーキングプアの解消と、こういった問題に取り組んでいきたいと思っています。

   2008年7月11日

横 路  孝 弘