社会保障の充実で「個人にお金を移転する」

 

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 国会は2月29日に衆議院で自民党、公明党が与野党の合意なしに、来年度予算と予算関連法案を強行採決いたしました。いま参議院で審議が進められております。
 こうした中で、民主党としてもいくつかの法案を出していますが、ひとつは後期高齢者医療制度を廃止しようという法案です。後期高齢者医療制度というのは、75歳以上の人と、74歳以下の人を区別する、そういう医療保険制度です。
 75歳以上の方を別にしようというのが出てきた背景は、やはり後期高齢者の人に医療費がかかり過ぎているから抑えようという、ただそれだけの理由なんですね。
 そして具体的に75歳以上の人の医療費をあまりかけないようにしていこうということを狙って、新しい制度が4月からスタートするわけですが、民主党は、こんな法律・制度はダメだといって、廃止する法案を国会に提出いたしました。

 いま医療は、たとえばリハビリは180日カットとか、療養型病床群をなくしてしまうとか、ともかく医療費のカットにつぐカットを行ってきています。しかし実際には、たとえばGDPに占める医療費の割合とか、一人当たりの医療費はアメリカの半分くらいなんですね。
 そして寿命はアメリカよりも男女共に5〜6歳も上になっているという、素晴らしい国民皆保険制度、「いつでも、どこでも、誰でも」病気になったら病院で治療を受けられる制度は、世界的に大変評価されています。
 ところが今だんだんともかく医療費を抑えに抑えてきたということなど、国の医療政策が本当にまずくて、いまたとえば特に産科、小児科、それから救急医療などで医師不足が非常に問題になってきています。
 大学にいた研修医が、研修制度が変わったことで民間病院に行ってしまったために、大学病院の医師が不足して、あちこちに派遣していた医師を引き揚げるものですから、今度は地方の病院の医師がいなくなるということになってしまっているわけです。
 医療制度全体の崩壊は、小泉内閣のときに1兆6千億円を5年間でカットすると、毎年2200億円ずつカットすることを決めてから始まりました。つまり医療ばかりではなくて、介護にしても生活保護にしても、社会保障制度のすべてを毎年2200億円ずつカットしているのです。

 そこでいま問題になってきているのは道路特定財源で、これ5兆4千億円ですよ、来年度予算で。しかもこの道路予算は毎年1兆円ずつ使えないで繰り越しになっているのです。道路特定といいながら、ミュージカルだとか、札幌でいえば北一条の地下駐車場とか、定山渓温泉に行く途中の道路情報館とか、ああいうものでだいたい年間6千億円も使っているということも明らかになってきました。
 片方で2200億円削って、世界的に素晴らしかった医療制度がだんだんおかしくなってきているという中で、ともかく削ることしか考えない、こういう政治を変えていこうと考えまして、道路特定財源の暫定税率はゼロにすると。それから財源は一般財源化して社会保障にも使えるようにすると。
 そして地方のためには、国の公共事業の直轄負担金という、全国で1兆1千億円の地方負担がありますが、これを廃止しようと。暫定税率廃止による地方税収不足は9千億円ですからこれでカバーできますし、さらに揮発油税、これは今まで4分の1が地方に配分されていたものを2分の1にすると。2分の1というと1兆3千億円くらいになりますから、7千億円くらいは地方配分が増えるということになります。
 そうやって地方の財政もバックアップするという案を国会に提出したところでございます。

 問題は、景気が非常に厳しくなってきました。それはそうでしょう、原油高に、穀物の国際相場が上がっています。小麦、大豆、とうもろこし。そのため肉製品や乳製品はみんな値上がりしています。
 原油が値上がりしていますからいろんな資材が値上がりし、さらに建築基準法改正で札幌でも大手の建設業者が倒産しましたけれども、これなどもそういう要素が多分にあるものだと思っています
 やはり何といっても経済を支えている「消費」を増やしていかなければならない。そのためには社会保障を充実するということ。つまり「個人にお金を移転する」ということが一番経済を活性化させる要素なのです。
 そのことをしっかりとこれからの国会の中でやっていきたいと思っています。

 それからイージス艦の事故。
 イージス艦というのは「イージスシステム」を持った護衛艦なんです。イージスシステムとは何かというと、相手を探して、それを認識し、それに対抗する措置を全部コンピュータが処理する大変高性能コンピュータシステムなんです。
 これが漁船とぶつかった。つまり「そこのけ、そこのけ」と、漁船のほうで避けなさいという軍事優先の考え方であの事故は起きたんだというように思います。
 日本はイージス艦を5隻持っています、もう1隻購入することになっていまして、1隻が1400億円もします。
 世界でイージス艦を持っているのはアメリカと日本以外でスペインだけなんですね。ヨーロッパの主要諸国がこのイージス艦購入を断っています。というのは、一番の秘密のところ「ブラックボックス」をアメリカが明かさないからです。日本の自衛隊のイージス艦にも、つい最近までアメリカ人が乗り込んでブラックボックス部分を管理していました。
 音響探知艦という艦船もありますが、これは今もアメリカ人が乗って管理しています。
 つまり日本の海上自衛隊もうアメリカのもとにある軍隊だと言ってもいいと思うのです。
 その一体性がこのところあらゆる分野でますます広がっているということを危惧しています。
 平和をしっかり守っていくためにも、私どもは本当に頑張っていかなければならないという想いでおります。
 ありがとうございました。


   2008年3月8日

横 路  孝 弘