臨時国会再開、これからが正念場

 

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 いやぁ、世の中というのはいろんなことが起きるものですね。9月10日に安倍首相の所信表明演説がありまして、12日の午後1時からいよいよ本会議が始まると。その時の代表質問は、民主党が鳩山幹事長、自民党が麻生幹事長。そして3番手が民主党の長妻代議士ということだったのです。
 それで1時20分くらい前に河野議長から突然「すぐ来てほしい」呼び出しがかかりました。それで行ってみましたら「安倍さんが辞める」と。本当にビックリしました。所信表明演説でも「職を賭して頑張る」みたいな話を言っておいて、そして突然の辞任ですからね。病気があるとしか言いようがないわけでございます。

 いずれにしても、この2〜3週間ほどは空白になりまして、きっと新しい総理大臣が決まって、国会も10月になってから本格的な論戦になると思いますが、最初はやはり何といってもアフガニスタンに対する海上自衛隊の派遣の問題です。
 アフガニスタンへの戦争というのは、あれはアメリカが自衛権の行使として行ったわけです。だからベースはアメリカの戦争なんです。これにヨーロッパ諸国は集団的自衛権の行使、NATOの条約がありますから、それで参加しているわけです。
 日本は、本当は憲法で禁止されているいわば集団的自衛権の形で海上自衛隊が給油活動をやっているわけです。この費用だってバカになりませんよ。行っている海上自衛隊の人件費など含めますとやはり1千億円近いお金がこのために使われています。

 「テロ対策だ!テロ対策だ!」と言っていますが、では本当にテロ対策になっているのでしょうか。我々が税金で供給している燃料がアメリカ軍の空母などの艦船に供給されて、その艦船から爆撃機が飛び立っていって爆弾を落とす。そうやって多くのアフガニスタンの全く罪のない人が亡くなっているのです。

 アフガニスタン国内はどうなっているのかと言いますと、タリバンは倒れましたが、元々軍閥、地方ごとに軍閥があったんですね。ケシの花を栽培してアヘンを生産し、それを売ったお金で武器を購入していたのですが、アメリカがこの人たちを担いで政権を作ったわけです。そして同時に、警察と国軍を作りました、国軍が3万人、警察が5万人。
 この軍閥がどうなったのかといいますと、地下ではマフィア化しているんですね。そして同時に5万人の警察官がこのマフィアと手を結んでいるわけですよ。ですから治安は乱れに乱れている。そこにタリバンが付け入る隙が生まれてきて、またタリバンがだんだんアフガニスタンの中で復活しつつあるわけです。

 ですから燃料を送ってもテロ対策に全くなっていないんですね。ほとんど役に立っていないといっていいでしょう。アメリカ軍が軍事活動するための費用の軽減という役割しか果たしていないわけです。

 ですから私どもは何が必要なのかといえば、やはりアフガニスタンの国民が安心して暮らせるような、まずひとつは、農業でケシに代わる農作物をどうしていったらいいのか、そのための基盤整備をどうしたらいいのかというところに力を入れていかなければならないわけです。
 よくお話しているペシャワール会の中村哲さんというお医者さんが、もう20数年間パキスタンとアフガニスタンで活動していますが、こういう人たちが日本からそばやサツマイモを持って行ったりしながら、農民の支持を得て用水路を造ったり、あるいは井戸を掘ったりというような活動をやっています。そんなNGOがやっている活動こそ必要なのではないでしょうか。

 なんか、燃料を米軍に給油するのをやめたらテロ対策から日本が抜け出すことになるみたいな話がありますが、全くそんなことはありません。先日もテレビを見ていましたら、著名なるコメンテーターが「アメリカへの燃料供給を止めたら、経済制裁を受けて国民の皆さんの生活が困りますよ!」なんていうバカなことを言っていましたけれども、そうやって事実にそぐわない宣伝ばかり一方的にどんどん行われているというのは本当に情けないことであります。

 今度の国会はその他にも、もちろん与野党逆転しましたから、皆さんにマニフェストでお約束したこと、年金問題もしっかりはっきりさせていかなければなりませんし、障害者自立支援法や介護保険法の問題、このごろは働いている人の給料が低くて、景気のいい地方にどんどん移ってしまい、人材をどう確保するかということなども大変大きな問題になっています。こうしたたくさんの課題にしっかりと民主党は取り組んでいくということで、国会をぜひ注目していただきたいと思います。ありがとうございました。

   2007年9月22日

横 路  孝 弘