消えた年金5000万件、政府に責任あり!

 

 皆さんこんにちは。北海道も緑いっぱいという状況になってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 国会は例の社会保険庁問題、「消えた5000万件」の年金を巡って深夜国会になりまして、明け方の午前1時過ぎまでかかるというようなことになりました。
 この5000万件というのはどういうことかといいますと、平成9年に基礎年金番号を国民に付けようということになりました。年金には国民年金と厚生年金と共済年金がありますよね。実は国民年金ですと例えば住所が変わるとそのためにまた新しい番号が付き、厚生年金では仕事が変わればやはりまた番号が付くと。あるいは大企業の場合は本社から工場に移ったりしても新しい番号が付くということで、厚生年金の場合は転職などでも新たな番号が交付されていましたし、国民年金の場合は住所の移転や結婚などによって新たな番号が交付されていましたので、番号がいくらあったかというと3億件あったわけです。
 それをいろんな番号照会などをやりまして、3億件あったうち2億5千万件が基礎年金番号に集約されて1億156万件になりました。そしてそのときに残ったのが5000万件なんですね。この残った5000万件というのは、ちゃんと突き合わせをしない限り、突き合わせというのは市町村が持っている手書きの年金台帳だとか、あるいはそれを入れたマイクロフィルムなどと社保庁のコンピュータデータとを照らし合わせるということですが、もう10年間、平成9年にやって10年間自民党政権はそれをサボってきたということでございまして、保険料を払ったのに年金をもらえないというような人が大勢出ております。

 「社保庁が 振り込め詐欺とは 露知らず」という川柳がありますが、まさに振り込め詐欺同然の状況ですね。
 その消えた年金の被害者の人というのはどういう人々がいるかというと、ひとつは公認の被害者の方。これは時効で、政府のほうも時効ということを知っていて、被害者のほうもわかっている人。推計で25万人くらいといいますが、コンピュータでその人たちのデータがすぐ出てくるわけではありません。この時効をなくそうというのが今回の措置のひとつです。
 それからもうひとつは、加入者本人は納付したと主張しているけれども、その記録が社保庁にないといって社保庁が拒否をしている人。これは去年の8月から今年の3月まで相談を行なったんです、特別強化体制ということで。全部で215万件、そのうち86件が、社保庁に記録はあったんだけれども年金は支給されていなかったものと、社保庁には記録はなかったけれども領収証をしっかり保管してあって、これはもう認めるということになったもの合わせて86件あったわけです。
 その他この215万件のうち2万件は証拠がないといって却下されているんですね。つまり加入者本人は納付したと主張しているけれども、社会保険庁は認めないというもの。
 それから3番目は、本人は気づいていないけれども、記録が誤っているといういわば「消えている被害者」の方がおられます。まあ潜在的被害者ですね。これは調べてみないと分からないわけです。

 この5000万件のうち2880万件の人は年金を受領する年齢に達していると言われているわけであります。
 ではどうしてこんなことが起きたのかといいますと、これもまた3つ種類がありまして、ひとつは完全に記録から消えているというもの。手書きのデータにもコンピュータデータにもない。納付したにもかかわらず社保庁にデータが全くないと。これは例えば手書きのデータをコンピュータに入力する時の入力漏れ、手書きの台帳時代の記録の消失といったようなことが理由です。
 それから2番目は、手書きのデータはあるけれどもコンピュータから記録が消えたというのがあります。これはどうしたらいいかというと、社保庁のコンピュータデータと、手書き台帳やマイクロフィルムのデータとの突き合わせが必要です。これは一つ一つ突き合わせしなければならないんですね。これはだいたい10年から20年くらいかかるだろうと言われているもので、安倍総理がこの前の党首討論で「1年で」と言っているのは全くのウソであります。
 それからもうひとつは、コンピュータ上にはありますけれどもデータが壊れていて自主的にはもう役に立たないというもの。例えば生年月日が入力されていないのが30万件とか、住所がないものとか、氏名が不十分というような要素があります。中には生年月日が「昭和65年1月1日」なんていうありもしない日付を生年月日にしているようなものまであるということで、まあどうしてそういうことになったのでしょうか。

 いずれにしても国民には全く責任のないことで、政府サイドにいずれも大きな責任のある問題でございます。
 この問題は、民主党が一昨年からずっと追及してきて、ようやく政府が認めて、そして安倍さんは支持率が下がったので慌ててバタバタと十分な議論もせずに国会を強行突破したということでございまして、本当にヒドイです。
 こういうことが起きているのはなぜかというと、やはり2年前の小泉政権における郵政民営化総選挙で自民党、公明党に3分の2の多数を与えてしまったからなんです。しかしあれは郵政が争点で、いま安倍さんは選挙の洗礼を受けているわけではありませんし、年金問題から憲法改正、国民投票法案の問題から、イラクへの派遣問題から、そんな重要な問題をこんな短期間に何でもやる権限なんか全くないんですね。
 だから今度の参議院選挙でやはり与野党逆転をして、今の政治にチェックをかけないといけません。今のこの安倍政権はどこに向かって暴走するか分からない大変危険な状況にあるということを皆さんにご報告し、ぜひ参議院選挙での民主党の議員、特に憲法9条をしっかり守るという人にぜひご支援いただきますようにお願いいたします。
 ありがとうございました。

   2007年6月2日

横 路  孝 弘