憲法改正国民投票法案について

 

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。春めいて参りましたけれども、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 国会では、与党は4月になったら憲法改正国民投票法案を提出したいと言っています。与党案、特に自民党案は問題が非常に多いんです。
 たとえば国民投票について国民がいろいろと議論することにも制約をかけていまして、国家公務員、在日外国人などの運動を禁止しようというとんでもないことを言っていますし、あるいはマスコミが評論することについても「虚偽の報道には処罰を加える」と。虚偽の報道と誰が判断するのかといえば取り締まるほうが判断するわけですから、そんなことになったのでは充分な報道もなされない。こうした状況の中で何とか憲法改正を通そうという自民党の意図が明白な、そんな投票法案になっています。

 しかも問題点はまだたくさんありまして、たとえば賛成反対をどうするのかというときに、最高裁判所裁判官の国民審査の投票のように×印をつけた以外はみんな○扱いなんですね。こんなことをやられたのではかないませんから、私ども民主党はむしろ逆に○をつけた以外はみんな×扱いにしなければならないと考えております。また憲法を一括して○×つけるのか、それとも個別の条文ごとに○×つけるのかというようなこともありますが、そういう点ひとつとっても大きな問題がまだまだ残っていて、これからしっかりと議論しなければなりません。
 ですからこの国民投票法案は、自民党が無理に数でもって強引に通すことのないように、国会としては慎重な審議を行っていきたいと考えております。

 それから教育基本法の改正問題も大きな問題です。いま自民党と公明党の与党内部で愛国心の問題をめぐって議論がされているようです。
 いまの教育基本法は憲法と同時にできました。いまの日本国憲法は明治憲法や教育勅語と比較してどこが違うかというと、ひとつはやはり何と言っても戦前は国会第一、国民第二、国家あっての国民だという考え方だったわけですね。だから個人の基本的人権は無視されてきました。いまの憲法と教育基本法はそこの価値観を変えたんですね。国民あっての国家である、国民が第一で国家が第二だとしっかり規定しているわけです。
 しかし政府はこれをまた国家第一、国民第二に変えようとしています。たとえば歴史教科書を守る会の新しい歴史教科書を見ますと、「個人の命より価値のあるものがあるじゃないか、それは国家だ」といって特攻隊などの例を出して子供に教えるような仕組みになっています。こんなような形に教育基本法を変えてしまおうとしているのです。それが本当にいいのでしょうか。

 いま米軍再編が議論されています。日本の海上自衛隊は従来から米軍との統合運用、一体運用ですが、今度は陸も空も一体運用しようというわけです。アメリカは日本に対して「保安官の助手になってもらいたい」と。アメリカは世界の警察官であちこち行くからそのとき一緒に付いて来てくれと。特に今度座間にくる米陸軍司令部の機能は地球の半分を統括しています。
 こういう流れの中で国家第一、国民第二の憲法と教育基本法になったのでは困るわけですよ。やはり国民が「命は本当に尊いんだ。国民あっての国家なんだ」としっかりと押さえていくことが、戦前と同じような過ちをしないで済む道ではないだろうかと考えています。
 私も憲法のいろんな講演に呼ばれて行っていますが、ぜひ来てちょっと話を聞かせてくれという方がおられましたら、事務所にご連絡いただければと思います。ありがとうございました。


   2006年3月18日

横 路  孝 弘