介護保険法改正案について

 

 皆さんこんにちは。
 国会も予算の審議がそろそろ終わりを迎えて、4月からは本格的に各法案の審議に入ります。
 私は衆議院の厚生労働委員会に所属していますが、今国会には介護保険法の改正案と、障害者自立支援法という2つの大きな法案が出されています。
 今日は介護保険法改正案についてお話をしたいと思います。

 介護保険は、今まで家庭で家族の人が世話をしていた介護を、社会的にみんなでしていく仕組みを作ろうということで5年前にスタートいたしまして、利用する人もこの5年間でほぼ倍、200万人から400万人になりました。利用者がだんだん増えるに従い、かかる費用も増えているわけであります。
 費用は皆さんご承知のように、40〜64歳の人と65歳以上の人が負担しています。しかし介護が必要になった時にそのサービスを受けられるのは65歳以上の人なのです。40〜64歳の人は保険料は払うけれども、例えば交通事故で介護が必要な状況になっても、介護保険サービスを受けることはできないというような問題がありました。

 そこで今度の改正案の中では、ひとつは保険料を払う年代を、今は40歳からなのをもっと下げて30歳代とか20歳代に下げて、そしてサービスは0歳から(0歳でも介護が必要な赤ちゃんはいるわけで)サービスを提供するようにしようというのがこの改正の初めの大きな狙いでした。しかしいろいろと賛否両論、議論がございまして、これはさらに5年後をメドに検討していくということになりました。
 民主党は、できるだけ多くの人が介護を必要としたときに介護が受けられるようにしようと。特に40〜64歳の人は保険料を払っているわけですから、介護を受けられるようにすべきであると。したがって介護保険料を払う年代を引き下げて、サービスの提供も0歳から行なうべきだというように考えています。これが問題点のひとつです。

 そしてふたつ目は、要支援と要介護1という人々が増えてきています。この要支援や要介護1の人には今まで居宅サービス、つまりホームヘルプサービスがあったわけですが、利用者が増えてきたものですから、政府は今回その要支援と要介護1の人をさらに2つに分けまして、だいたいいま受けている要支援と要介護1の70〜80%は介護の予防を受けるというグループにして、居宅支援はできるだけ行なわない、つまりホームヘルプ支援はやめようというような制度改正を出してきているのです。
 そして介護の予防というのは何をするのかというと、栄養指導だとか筋肉トレーニングだとか、それから歯や歯グキなど口腔を強くというようなことをやると言っているわけです。

 しかし問題は、要支援の人でも要介護1の人でも、ある程度のことは自分でできても、お風呂や床の掃除などは足が痛いとか腰が痛くてなかなかできない、でもちょっと手伝ってくれると本当に助かるという人がたくさんおられるのです。そういう人たちは今度はダメよということになって、ホームヘルパーによる支援がなくなってしまいます。これはやはり非常に大きなことなのです。
 介護の予防といっても、80歳や90歳の人が筋肉トレーニングの機械を使ってかえってケガをしてしまうというような問題もあるわけです。この点はサービスを受けている人々からいろんな意見が出てきていますので、議論のひとつの焦点になると思います。

 ただ介護関係の業者の中には、この要支援、要介護のところの掘り起こしを進めています。ある県では数十という施設を持っている介護業者がその掘り起こしをしているそうです。やはり本当に必要な人に必要な介護サービスができるような仕組みにしなければいけないというように思います。
 このところ、介護事業の指定取り消しを受けるような業者も全国的に増えてきていまして、そういう点は改めながら、しかし同時に必要な支援はするということの議論をしっかりと行っていきたいと思っております。

 それから、この介護保険で実際にお金がかかっているのは、在宅介護よりもやはり施設での介護なんですね。特別養護老人ホーム、老人保健施設、特に病院の中にある介護療養型の施設、こういうところが非常に多くのお金を介護保険の中で使っているわけです。介護療養型の施設というのは、本来は福祉施設に変えていくということを前提に、入っている人を今すぐは地域で面倒を見ることができないからということで認めてきた経過もありまして、こういうことの見直しなどが非常に大事なことになっております。

 皆さん方も何かご意見がございましたらぜひお寄せ下さい。4月になっての本格的議論を行っていきたいと思っております。

   2005年3月12日

横 路  孝 弘