世界のみんなでやるべきこと

 

 皆さん明けましておめでとうございます。
 昨年は日本をはじめ世界中で台風やハリケーン、あるいは大きな地震、火山の噴火などで本当にたくさんの人々が亡くなる大きな被害が出ました。
 特に昨年暮れのインドネシア・スマトラ島沖地震の津波による被害はどんどん広がっていって、しかもそのあとの対応、対策がいま一番問われているときだと思うのです。
 またイラクでは毎日多くの国民が殺され、傷ついています。
 新年にあたりまして、人々が安心して平和で暮らすことのできる日が一日も早くやってくるように心からお祈りいたしますし、私もそのために本年全力を尽くしていきたいと思います。

 やはりいま人類がやるべきことは、イラクでの戦争のようなことをやることではないですね。いまは国連や国際社会が集中して、あの津波の被害に遭った人々を救うことだと思いますし、日本もそのために全力を尽くしていかなければいけないと思っています。

 「官から民へ」と小泉さんはよく言われます。アメリカのブッシュ政権のモノマネをしているわけでございますが、アメリカは民営化がどんどん進んでいって、例えば刑務所の管理は民営になっているんですね。その果てが「戦争の民営化」です。「戦争株式会社=PMC」(プライベート・ミリタリー・カンパニー)というのがありまして、いまイラクでは40社1万5千人の民間人が戦場で事業をしているのです。戦闘行為以外のところで、兵営の設営から食事の用意、兵器のメンテナンス、要人の護衛、兵士の訓練、戦闘マニュアルの作成、刑務所における尋問から拷問のやり方…。そして物凄い大きな売上げをしている巨大産業なのです。アメリカという国はこんなことまでやっているんですね。
 こんなことすぐやめてしまって、インドネシア周辺の国々に行って人々を助けることに貢献したらいいと思うのですけれども。
 戦争の民営化が進んできていまして、今までもソマリアとかルワンダとかボスニアなどでこれらの企業が活動してきました。つまりこれらの企業は戦争がなければ成り立たないわけですね。だからアメリカという国を考えてみますと、第二次大戦のあとほとんど毎年どこかで軍事力を行使しているという国なのです。

 そういう国の指導者ブッシュさんに身も心も捧げてしまったのが小泉さんです。だから今アメリカから、日米同盟の邪魔になるから憲法を変えろといわれています。
 日米同盟の邪魔になるというのはどういうことかというと、アメリカが軍事力を行使するときに日本も一緒にすぐ軍事力が行使できるようにしてほしいということなのです。そのためにいま米軍はいろんな司令部機能、陸軍や空軍の司令機能を日本に移して、そして日本の自衛隊と一緒になって行動する体制を強めようとしています。

 そしてそれに呼応するがごとく、自民党は先日、憲法改正草案を発表しました。あれには国防の義務が国民の責務として規定されていました。そしてアメリカの自衛権行使に協力するために集団的自衛権の行使もできるように規定されています。そして戒厳令を布告することできるようになっていまして、その場合には国民の持っている基本的な権利、自由は、その戒厳令が布告されている間は制限することができるとされまして、表現の自由とか思想・真相の自由、言論の自由、法律の手続きによらなければ逮捕されたり家宅捜査されることはないというような原則などを法律で規制することができると。しかも急ぐ場合には法律ではなくて総理大臣が政令で人権を制限することができるというような憲法草案が発表されました。
 この中には参議院をいまの公選制ではなくて、有識者による任命が半分、都道府県議会による選出が半分というような規定が出まして、自民党の参議院から異論が出て、これは作り直すということになったようですけれども、しかしいま私が申し上げたような本質のところはこれからも変わらないだろうと思います。

 やはり9条を変えるということが憲法改正の大きな目的でして、しかも9条改正はそれだけにとどまらないと、国民の基本的な人権や国の形にも関わってくるんだということを見落としてはならないと思います。
 私どもは、日本の国を含めて世界が何をしなければいけないのか、そのためにも昨年世界中で起きた様々な災害のことを思い起こしながら、この一年間頑張って参りたいと思います。ありがとうございました。

   2005年1月1日
横 路  孝 弘