国は何を守ろうとしているのか

 

 いよいよ寒くなってまいりましたけれども、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 新潟中越地震は本当になかなか収まらないですね。
 多くの人々がこの寒い冬の中で避難生活を送られていることは本当に大変なことだと思います。
 北海道でもたびたび地震が起きましたが、本当に全国のあちこちの皆さんから支援をいただき、奥尻島のときなどは義援金などもたくさんいただきました。
 今回の新潟のことについても、私どもはしっかり新潟の人々を支援していきたいと思っております。

 つい先日の朝日新聞にこんな川柳が載っていました。
  「国護ることとは何かあらためて政府(くに)に問うごとく天変に地異」
 地震や台風で森の中に食べ物がなく、熊が人間の住む社会に出てきて人々を襲うというようなことが次から次へと起きています。
 国を守るということはやはり一人一人の安全をしっかりと守ることではないでしょうか。何もいまイラクに自衛隊を送ることがそういうことでは決してないと思います。

 ファルージャでは米軍などによる戦闘、掃討作戦が行われていますが、ブッシュ大統領というのは本当にひどい男ですね。あそこで亡くなっている多くの人々に対して思いを致さないのでしょうか。亡くなっている人々のほとんどが一般市民なんです。
 最近のアメリカの学者の研究によりますと、イラク戦争で死んだイラクの人々が10万人を超えているというんです、10万人ですよ。家族を殺された多くの人々はアメリカに対する憎しみを増やしていっています。
 他方、アメリカ兵の死者も1100人を超え、そして負傷者が8900人超えていますから、死傷者は1万人です。やはり嘆き悲しんでいる家族の人々がたくさんいると思いますよ。
 イラクに行って亡くなっている多くの若者は、マイケル・ムーア監督の『華氏911』を見るとわかりますが、失業しているような若者ばかりなんですね。裕福ではない、本当に貧しい家庭の子供たちがたくさんいる、そういう失業率の高い町に海兵隊の採用官が行って、そういう若者をイラクに送り込んでいるんです。

 今回、自衛隊派遣の延長が問題になりますが、私ども民主党としてはあの法律を廃止するという法律案を野党3党共同でこの臨時国会に提出して、何としてもやめさせたいと思っています。

 いま私は民主党「次の内閣」厚生労働大臣として毎日、介護保険の問題、支援費制度をどうするか、介護保険と一緒に新しい保険をつくろうというような提案もありますし、障がい者の人々のグランドデザインの問題、あるいは発達障がい者の人々を支援しようという問題や、新しい年金制度、それから医療制度については小泉さんが自由診療制度を取り入れようといっている問題、そして雇用の問題、あるいはホームレスや自殺の対策といったような、本当に幅広い問題を扱っております。

 いまの日本の社会は本当に最悪で、自殺も過去最悪、ホームレスも増えて、生活保護も増えて、犯罪も増えて、児童虐待も増えてという社会です。
 ではどうしてそうなったのかというと、ひとつはやはり経済、特にその中でも雇用が不安定になっているという点が最大の理由です。いま全国の労働者の3分の1がパート労働になっていまして、月収10万円以下という人がだいたい40%も占めているんです。ですから非常に不安定な仕事で低賃金ということで、それが生活保護にもつながるわけです。
 ところが政府は生活保護予算をまたカットしようとしています。そこでカットされたらどうなるのか、犯罪や自殺やホームレスがもっと増えているということです。もうともかく小泉政権がこのまま続いたら日本の国は成り立っていかないと思います。

 小泉さん、竹中さんの周りにいる経済人というのは最近本当に質の悪い経済人が増えたような気がします。税金は払いたくない、社会保険料は負担したくない、従業員の生活なんか勝手にしろ、成果給でやる、そして自分がいかに金を手にするかというようなことを考える経済人が多くなったというのは本当に残念なことです。
 では一体誰がこの国を支えていくんだということになるわけでして、毎日毎日、朝から晩まで厚生労働に関するいろんな議論をしながら、今の日本の置かれている厳しい状況を見るとき、本当に「政権交代しかない!」という思いを強めています。ありがとうございました。

   2004年11月15日
横 路  孝 弘