経済は回復したのか、国民は豊かになったのか

 

 いよいよ参議院選挙が近づいてまいりました。いまは地方区の峰崎直樹さん、そして比例区の信田邦雄さん、この二人の必勝のためにあちこち飛び回っているところです。

 小泉内閣が誕生して以来、外交も内政も本当にひどい政策展開になっています。イラクはいよいよ収拾のつかない状況になってきて、アメリカももう国連にお願いするということになりまして、いま決議案について議論が進められているところです。
 6月下旬にはイラクの国民政府に権限を移すということですけれども、フランスやロシア、中国、ドイツなどが指摘しているように、アメリカはしかし実質的な権限は離さないんです。多国籍軍をつくるけれどもその主導権はアメリカが持つということで、それでは本当にイラクに政権を移したということにならないのではないかということで、国連の中でこれから議論が行われていくことになると思います。
 各国も6月下旬で撤退するという国がたくさんありますが、ともかく小泉さんはブッシュさんの言いなりです。ただ従うというだけで、何の考えもなく、ですから悪くするとさらに自衛隊の派遣を強化するということになりかねない状況にあると思います。

 戦後50数年間積み重ねてきた自衛隊についてのさまざまな原則、特に自衛隊は日本の国を守るための組織であって海外へは出さないという大きな原則が崩れてしまっている。そして今の状況ですと、次の衆議院選挙は憲法改正がテーマになるような、そんな状況に流れていっています。
 私は憲法9条はしっかりと大事にしていく、そして9条を守っていくことを前提にして国連を中心にして国連が世界の平和秩序維持に当たる、そして国連のもっている集団的な安全保障の機能に日本も参加していくという大きな流れで物事を考えています。
 これに対して自民党の皆さんなどは憲法を改正し、日米同盟を強化して集団的自衛権、つまりアメリカと一緒に自衛権を行使して世界に対応していこうと考えているようですが、そういう考え方を認めるわけにはいかないと思っています。

 小泉内閣になって経済が良くなったといわれています。しかし中国とアメリカの経済が好調で、それに伴う輸出が伸びているだけなんですね。経済がうまくいっているかどうかということが論じられるときに、株価はどうとか企業の利潤はどうとか設備投資はといった企業に関することや、貿易収支がどうなっているか、円ドルレートがどうなっているかというようなことなどがよく取り上げられます。
 しかしそれだけで本当に経済がちゃんと機能しているといえるのでしょうか。問題はやはり国民がどれだけ豊かになったのかということだと思うんですね。そういう目で見てみますと、日本では多くの専門家の皆さんの意見が一致しているように、国民の間に貧富の格差が拡大しています。そして貧困層が形成されつつあるという大変悪い姿になりつつあります。
 そして景気が良くなったといっても雇用が増加する兆候がありません。一部増えている雇用も、多くはパートやアルバイト、派遣労働といった点が中心で、たとえば学校を卒業した人たちが定職について安心して生活して結婚して家族を持つといったようなことがなかなか困難な状況ですから、国民の多くは年金や失業、所得が減っていくのではないかとか、いろんな不安がまだまだあるわけで、社会不安もあり経済不安もあるということです。
 ですから経済が本当に回復したかどうかはやはり国民が豊かになったか、国民の家計あるいは消費者の経済状況がどうなったかということでしっかり見てかなければいけないと思っています。
そういう点から見ますと日本の経済は、リストラによって企業が利益を上げ、輸出によって大企業は経済を維持していますが、中小企業や地方経済はまだまだ大変な状況にあるということを私どもは決して忘れてはならないと思っています。

 年金は、負担を増やして給付を下げるというだけの年金法案が自民党の手で強行採決されるかどうかという状況にあります。いまお話しているのは5月の最後の日ですが、6月に入ってどうなるか。ともかく自民党政権は強行採決に続く強行採決でやってきましたが、参議院選挙でしっかりとそれを変えていかなければならないと思います。

 民主党も岡田新体制になりまして、その体制のもとで私ども政権交代をめざして頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

 2004年5月30日

横 路  孝 弘