公平・公正・透明で、安心・持続可能な年金制度をつくる

 

 年金についての審議が国会で行なわれています。高齢社会の中で年金制度をどうするか、非常に大事なところに来ています。
 例えば、国民年金では第一号被保険者の対象が2237万人おられますが、このうち900万人近い人々が未納であったり未加入であったりという状況にあるわけですし、厚生年金についても、本来は加入しなければならない企業がこの不景気の中で加入していないというようなことが増えてきています。

 年金制度について、今まで政府はいつも負担を増やして給付を下げるということばかり行なってきたわけですけれども、抜本的な改革が必要だという状況にありながら、政府はまたまた抜本改革とは程遠い内容を決めてしまいました。
 いま厚生年金は、サラリーマンと企業と両方で13.58%を負担するわけですが、これからは今年10月から毎年0.354%ずつ上げていって、2017年には18.30%の負担にするということです。
 国民年金のほうはいま一人あたりの負担額は13,300円ですが、毎年280円ずつ上げていって16,900円にし、そのことによって給付水準をだいたい50%に維持していこうということなのです。

 なぜ今まで年金システムの推計が間違ってきたのかといいますと、一番大きい要因は人口推計の間違いです。いまの日本の制度というのは、年金をもらう人、それからその年金分を受給者以外の年齢の下の人々が負担するという仕組みですから、年金を受け取る人が増えて、負担する人が減っていけば、それだけ厳しくなるわけでして、いつも人口推計を間違えてきたわけです。
 今回の人口推計も非常に問題があるといわれています。例えば出生率について、2000年で1.36ですけれども、これが2050年には1.39に増えていくということを前提にして政府は改正案を作っています。ですからその前提が崩れますと、この制度も5年も経てば崩壊して変えなければいけなくなるということです。
 人口の低位推計、つまりこれから人口がさらに少なくなっていくということを前提に考えますと、負担の最大幅は、厚生年金で24.8%、国民年金でいうと政府は16,900円といっていますが実は24,000円、これくらいになるのではないかと言われているわけです。
 そんな意味で、今回の政府案では「もうこれで将来は大丈夫ですよ」ということにはならないのです。

 今の日本の年金制度にはいろんな問題がたくさんあるわけです。例えば最近は第1号被保険者の方々が増えています。これは自営業者の人とかフリーターの人たちなどで、サラリーマンと公務員以外の方はこの第1号被保険者になるわけですが、最近はフリーターの人が417万人といわれるような状態で、未納と未加入、あるいは免除されている人が増えていって、その総計が年間1兆5000億円。みんなが13,300円払えば1兆5000億円になるんですね。この問題がひとつあります。

 それからもうひとつは第3号被保険者、主にサラリーマンの配偶者の専業主婦の人で、この人々は保険料を納めていないわけですが、年金は受け取るわけです。ですからここの部分をそれなりにみんなで負担して、そして受け取るという仕組みにしていけば、年金の会計的な状況はだいぶ変わっていくわけです。
 それでは、いま誰が第1号被保険者の未納者や免除者、あるいは第3号被保険者の保険料を負担しているかというと、それは厚生年金と共済年金を受けている人々が負担をしているわけです。ですから、そこの負担状況がしっかりすれば全体的に負担も減っていくことになりますし、それぞれバラバラの年金制度を変えて、やはり将来的には一本化していかなければならない。

 そのためには、いま年金を受け取っている人の水準は維持しながら、これから年金を受け取る人々はすでに保険料を払っている人がたくさんおられるわけですから、そういう点もちゃんと前提として、私ども民主党は去年皆様方にお約束いたしましたように、年金制度を所得比例年金と最低保障年金の2階建て方式に変えていこうと考えています。
 最低保障年金については、例えばいまは国民年金受給者で40年間払った人で67,700円なので、それをちょっと上回る7万円くらいを最低水準として、所得比例の積み立てがそこに満たない人については税による最低保障年金を入れていく、その税については消費税の3%くらいを考えていこうというように思っています。
 実は政府案でも国民年金の国の負担3分の1を2分の1にするにあたっては消費税を入れるということになっているのですが、今はそこを誤魔化して説明されています。

 いずれにしても年金制度というのは、やはり各党が同じテーブルについて議論して合意するという合意形成をしなければならないわけです。私どもは対案を出していますが、そのベースはそういう仕組みをつくっていくということです。
 みんな歳をとっていくわけです。そのときに心配なくやはり安心して生活することのできる年金制度をしっかり作らなければなりません。今のように年金の負担は増えます、給付は減ります、医療費は増えます、介護保険料も増えますということでは、もう明るい老後という状況ではない、本当に暗い老後になってしまうのではないかと思います。
 そのために私どもは国会でしっかり議論していきたいと思っております。

  2004年4月24日

横 路  孝 弘