3人の無事救出のために

 

 8日の夜9時半くらいに東京の議員宿舎に戻ったのですが、テレビをつけたらいきなり今井紀明君の顔がパッと映り、「あれ、どうして?この映像は何だろう」と思っていたら、イラクで誘拐されたということでした。

 今井君や高遠さんは、その活動で札幌や北海道の人々がよく知っている人なんです。
 高校生だった今井君は去年の夏、「イラクへの自衛隊の派遣について意見を聞きたい」ということで私のところに来られました。そのときにいろいろ話をしましたが、将来はジャーナリストになりたいと言っていました。そのうち、劣化ウラン弾についてのメールが届きました。劣化ウラン弾は湾岸戦争のときも今回もアメリカ軍が使って、特に湾岸戦争のときはアメリカ兵の中にもこの被害がたくさん出ているということが今もずっと報告されています。
 彼は劣化ウラン弾の被害、そしてイラクの中でも劣化ウラン弾によって被爆した子供たち、赤ちゃん、そういう人たちがたくさんいるということをぜひ多くの人々に知ってもらいたいと思い、呼びかけ、市民運動を立ち上げました。私は彼との話やその後の活動を見て、将来はしっかりとしたジャーナリストになるだろうなと大いに期待をしました。
 彼は秋からイギリスのロンドンに留学して平和学の講座を受けて勉強する計画を立て、その前にイラクに行こうということで、今度の事件に巻き込まれてしまいました。

 高遠さんはストリートチルドレンを救う活動をしてこられました。戦争の後というのは親を亡くした戦災孤児が出るんです。日本も太平洋戦争の後はたくさん戦災孤児の方がおられました。そういう戦災孤児を誰も面倒を見てくれない。彼女は一人で行って、そういう人々の言わばお母さんとしていろんな面倒を見たり、麻薬を吸ったりするような子供にはそれをやめさせるというような活動をしてきたわけです。
 本当に3人無事で帰ってきてほしいと思います。

 いまイラクはどんな状況かというと、ブッシュ大統領自身が戦争は継続していると言っているような状況で、この4月上旬の1週間、これだけでイラクの人が数百人亡くなり、1千人以上がケガをしたというような状態なんです。つまり戦争状態が続いているんです。
 私どもは自衛隊の派遣に反対しました。すぐ撤退すべきだということも主張してまいりました。イラク特措法の中でも、イラクが戦闘状態になったときは撤退すると決めているわけですから、いまそのことをしっかりと小泉さんは決断すべきだと思います。

 「テロに屈するな」ということを言います。しかし、イラクのフセイン元大統領は独裁者でしたけれども、アルカイダなどのテロリストを弾圧してきた人なんです。イランでホメイニ革命、つまりイスラム原理主義の人たちの政権ができてアメリカが追い出されたときに、アメリカはフセイン大統領を応援してイラン・イラク戦争の支援をしました。それはなぜかというと、フセインがそういうイスラム原理主義を弾圧していたからなんです。そのフセインをアメリカは戦争で倒してしまったので、そこに周りの国からテロリストが入ってきている。
 しかし今の戦争状態というのはそれだけではなくて、この1年間、アメリカ・イギリス占領軍は女性や子供を殺したり、男を理由なく逮捕して収容所に閉じ込めたり、モスクを攻撃したり、そういった本当に乱暴なことをしてきました。そういうことの積み重ね、つまり庶民の怒りがベースにあるのです。そのことを私どもは決して忘れてはなりません。

 もともと間違いだった戦争、その間違いだった戦争に協力した小泉内閣。小泉さんが自衛隊を派遣したために日本は今どうなっているか、日本はむしろ不安になっているではありませんか。空港に行っても駅に行っても港に行っても警察官だらけ、街の中も警察官だらけ。自衛隊を派遣しなければこんなことにならなかったわけです。
 誘拐された3人だってそうです。だから早く決断すべきだと、自衛隊は撤退すべきだと思います。
 残された時間は刻一刻と少なくなっていくわけですけれども、私は無事解放まで全力を尽くしてまいります。そして皆さんにも、衛星テレビ局アルジャジーラなどに「3人はイラクのためにこういうことをしてきたんだ」とぜひ訴えてほしいし、総理官邸にはぜひ抗議を送って頂きたいと思います。ありがとうございました。

  2004年4月10日 午後3時30分


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