スコット・リッター氏とブッシュ政権


  

 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 いよいよ国会が始まりましたが、小泉首相のひどいことひどいこと。イラクの問題にしても北朝鮮の問題にしても、政府としてのあるいは自分としての考えを一切明らかにしない。結局はアメリカに追随するということです。
 国内の経済状態が非常に厳しくなっているにもかかわらず、依然として「もう少し痛みを我慢しろ」と。これ以上の痛みをどうやって我慢しろというのでしょうか。こうした今の小泉政権の実態がだんだんと明らかにされてきております。
 民主党は菅代表のもと、新しい体制でがんばっているところですが、今日はイラクの問題についてお話したいと思います。

 アメリカのイラク攻撃がだんだん迫っているといわれていますが、ドイツやフランス、ロシア、中国などは反対して、もっと査察を継続すべきといっています。
 先日、アメリカのスコット・リッターさんという、湾岸戦争後にイラクに入って査察活動を行っていた方が来日されました。お話を聞くと、その査察のときに大量破壊兵器は95%破壊したそうです。核はもうほとんどつくる力はない、生物化学兵器も95%破壊して、あと5%くらい残っているだろうということでした。
 アメリカが査察を引きあげたのは1998年です。そのときにもし例えば生物兵器が残っていたとしても、炭そ菌は3年間で、化学兵器は5年間でその能力はなくなって無害になってしまうということです。
 結局、アメリカがイラクは大量破壊兵器を持っているというならば、どこにあるのか証拠を示さないとダメだと。そしてもっと査察をしっかりやれば戦争を回避できるというのがスコット・リッターさんの考えであり、いまドイツやフランス、ロシア、中国が主張している考えです。私もそのように思います。

 いまのブッシュ政権は、ブッシュ大統領や副大統領、それからライス補佐官も含めて石油業界の出身で、しかもアメリカの石油に占める中東原産の石油のウエイトがだんだん高くなっている中で、イラクはサウジアラビアについで石油埋蔵量の多い国ですから、何としてもイラクを制圧しようと考えています。
 サウジとアメリカの関係はアメリカ同時テロ事件以降悪化しています。テロ事件の犯人19人のうち15人がサウジ出身だったので非常に悪化しています。サウジ国内も貧富の差が拡大して王制が揺れています。
 したがって、アメリカは中東の石油を抑えるという目標のもとに、イラクを占領し、隣のイスラエルの安全を保障し、それからサウジその次はイランというようにアメリカの考え方を押し付けていこうと、武力で押し付けていこうと考えているわけであります。

 今のブッシュ政権の中で、例えばラムズフェルド国防長官は20年前にレーガン大統領の特使としてイラクを訪問し、フセイン大統領と握手をしました。そのときイラクはイランと戦っていました。アメリカは反イランだったので、イランと戦うイラクに対して「あなたは正義の戦士だ」といって軍事的援助を行ったのです。それがいまの国防長官なのです。
 ですからフセインはコカ・コーラと同じだといわれています。どうしてかというと「Made in USA」だから。アメリカが作ったからということです。

 イラクはいま具体的に世界に対して脅威を与えているのか、アメリカに対して脅威を与えているのか。別に何もないわけです。
 湾岸戦争が終わってから12年間、世界は監視してきました。国力は3分の1になり、軍事力も半分以下に落ちているといわれて、薬もなくて多くの子供たちが亡くなっているような、そんな状況にあります。

 ですから今回のブッシュ政権のこういう行為、勝手な先制攻撃という名のもとに、場合によっては核兵器も使おうというブッシュ政権の行為は絶対許してはなりません。
 ここでもしアメリカがイラクに対する攻撃に成功すれば、次は北朝鮮だ、次はイランだといって、アメリカは気に入らない国家をどんどん潰していくことになる。そうなるとまたものすごい反発を招いて、またテロが起こるかもしれない、世の中は全然安心できないということになるわけです。

 いま世界的にイラク攻撃に反対しようという声が高まり、ブッシュ大統領へ抗議の手紙を送ろうという活動が行われています。私のホームページにもその方法などが載っていますので、ぜひご覧頂いて手紙を出したり、反対の意思表示をみんなでしていこうではありませんか。

  2003年2月15日
                                                横  路    孝  弘