中東和平はパレスチナ国家樹立から

 


 雪も融けて北海道にも春がやってまいりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 3月29日に日本パレスチナ友好議員連盟の会合が開かれて、パレスチナ側から日本の国会にあたるパレスチナ立法評議会のアブ・アラ議長(写真右)が来日されました。この方はPLOアラファト議長の最有力後継者といわれている人です。

アブ・アラ議長(写真右)と横路孝弘 いまテレビや新聞を見て、イスラエルとパレスチナの暴力の悪循環が激化していることに心を痛めていない人はいないだろうと思います。
 もともとイスラエルという国自身が第二次大戦の後にアメリカやイギリスなどのバックアップのもとに成立しました。そして成立と同時にその地域にいたパレスチナの人々は住むところを失ったわけです。
 イスラエルは今日まで4度にわたる中東戦争を起こしています。特に第3次中東戦争でイスラエルはヨルダン川西岸地区を占領したのです。そしてここにイスラエルからの人々を入植させて領土を拡大していきました。ここからもパレスチナの人々は追い出されて、いわば流浪の民になってしまったわけです。
 イスラエルはユダヤ民族ですが、このユダヤ民族の影響力はアメリカの中で大変強いのです。特にマスメディアや学者、映画などもそうですが、非常に強い力を持っていまして、アメリカの上院議員の8割くらいがこの影響下にあるといわれています。

 イスラエル・パレスチナ問題の本当の解決は何と言いましても独立したパレスチナの統一国家をつくるということです。国家をつくるためには土地が必要です、つまりイスラエルが第3次中東戦争で占領したヨルダン川の西岸地区から撤退しなければいけない。そこにパレスチナ国家をつくるということしかないわけです。
 国連では第3次中東戦争のときの占領地からイスラエルは撤退するようにという決議なども行われていますし、クリントン大統領は辞める直前にイスラエルとパレスチナつまりPLOの両方の話し合いを進めるように大変努力をされましたが、最後のところで話がまとまりませんでした。

 ですからまず何よりもヨルダン川西岸地区からイスラエルが撤退すること、そしてそこにパレスチナ国家をつくることが重要です。エルサレムの旧市街はイスラム教、ユダヤ教、キリスト教の聖地ですからここをどうするか、場合によっては国連の信託統治にする方法もあると思います。
 世界の平和のためには何と言っても中東和平が最大の問題です。そしてその中東和平でイスラエルとパレスチナの間に友好的な関係をつくるためには、パレスチナの国家を樹立することを認め、その前提でイスラエルとの友好関係を樹立することが何としても大事なことだと思います。

 先日もアラブ首脳国会議が開催されましたし、サウジアラビアからの提案もありましたが、イスラエルのシャロン首相が強硬なんです。もともといまの紛争の原因をつくったのがこの人で、一昨年の秋にエルサレム旧市街のイスラム聖地を強行訪問したのです。そこから紛争が続きまして、もう1年半くらい経っていますけれども1万人を超える死傷者が出ています。
 イスラエルはアメリカ製の最新鋭のヘリコプターや戦車、ミサイルを使って攻撃しています。パレスチナは武器が無いので、自爆テロを行うという繰り返しです。先日もパレスチナの女子大生が自爆テロをしました。その新聞報道を見ていましたら、一週間前に婚約者を亡くし、一ヶ月前にお兄さんと弟さんをイスラエルの攻撃によって亡くしたという人だと紹介されていました。

 パレスチナ側、イスラエル側、たくさんの人々が亡くなる関係を毎日毎日続けていくわけにはいきませんから、何としてもこの中東問題をしっかり解決していかなければいけない、そしてそのためには日本の果たす役割も大変大きいものがあると思っています。

 この議員連盟も休眠状態でしたが、今回の来日を再建する機会とし、日本の超党派の国会議員団の一員としてパレスチナの平和のために頑張っていきます。


  2002年 4月 3日

                                                 横 路  孝 弘