小泉改革を見極め「うっかり自民党に投票して
あとでがっかり」しないように


 


 いよいよ大変大事な参議院選挙がやってまいりました。21世紀の日本の進路を決めるといってもいいと思います。
 今日は小泉内閣について、どう受けとめたらいいのかということをお話したいと思います。

「不良債権処理」
 小泉さんが言っておられること、例えば不良債権処理はもう10年前にすべきことだったんです。ところがお金を貸した銀行側も借りた側も、責任を取ることがいやで、そのうち土地の値段や株の値段が上がるだろうと期待してズルズル来ているうちに、結局今日のような大変な事態になってしまったということです。これは早く処理しなければいけません。

「道路特定財源」
 道路特定財源を一般財源として使おうというのは民主党が従来から主張してきたことです。しかしこれらは構造改革と言えるものではないと思います。

「地方交付税カット」
 小泉さんは地方交付税を1兆円ほど減額すると言われています。国の地方交付税は20兆円ですから5%カットということになります。
 北海道は道と市町村含めてだいたい2兆円ですから、1千億円のカットを受けるということになります。この影響は非常に大きいです。
 私ども民主党は、地方交付税や補助金は『ゼロ』であるべきだと考えています。権限をしっかり地方に移して、同時に税源も含めた財源を地方に移すということが大事なんです。それがいわば構造改革なんです。それを実行した上で地方交付税をなくしたり、補助金をなくすべきなんです。
 いま税は国が6割取っています。しかし仕事は地方が6割やっています。そういうアンバランスがあります。そこに手を付けなければ構造改革とは言えないと思います。

強いもの(金持ち)だけが恩恵を受ける
 また、これらの改革を実行してどんな日本の社会をつくるのかという点で言いますと、特に竹中平蔵さんが言っていることは、「強いものをより強くしようじゃないか」。そして「努力したものが報われる社会をつくろう」とも言っています。
 強いものをより強くするためにどうするのかといいますと、例えば所得に応じて税率が上がる「累進課税」になっている個人の所得税の最高税率を下げてフラット化して、そして相続税を引き下げるということなどを竹中さんは主張しています。
 つまり、お金持ちの減税を大いにやろうというわけです。減税したら税収が減ってきますから、どうするかというと、竹中さんはかつて消費税14%ということを言われました。そういう方です。
 つまり強いものをより強くしていくということを、制度としては、政策としてはやっていく。それで痛みをみんなで分かち合うといっても、所得の高い人はそうやって減税され、所得の低い人は年金への課税の強化だとか、医療費の上限の設定とか、いわば医療や福祉、年金や教育といった分野における国のいろんなバックアップをカットしていこうというのが今の小泉内閣の方針でありますから、影響は立場の弱い人たちに出てくるわけです。

竹中「金持ちをさらに金持ちに」
 小泉さんや竹中さんは「努力したものが報われる社会をつくろう」とも言っておられます。努力したものが報われるというのは、私どもが考えているのは、朝から晩まで一生懸命汗水流して働いている人たちがちゃんと報われるということですが、そうではなくて、要するに投資や投機などをして儲けた者、収入として金をたくさん得た者に対して、先ほどいった税などの面で報いを与えようじゃないかと。そういう人々が報われるように、つまり金持ちがさらに金持ちになるようにしていこうというのが、彼らが言っている「努力したものが報われる」ということの意味のようであります。

「解雇の自由」は本当にいいの?
 また小泉さんは、「解雇自由の社会」にしようとも言われています。アメリカのように解雇が自由になる社会。そんな社会が、家庭を持ち将来設計をしていく上で、あるいは落ち着いて会社の中で仕事をしていく上で本当にいいんでしょうか。

「うっかりで、がっかり」

 今回の構造改革で、あまり表に出てきていないこういった税制度や社会保障についての改革、あるいは雇用の流動化ならびに解雇の自由といったような問題が出てくるのは参議院選挙が終わってからになります。
 『うっかり自民党に投票したら、本当にびっくりするような結果になってしまって、そして国民が後でがっかりする』。強いものは痛みを受けることなしに、弱いものだけが痛みを痛感する日本の社会、弱肉強食の社会になってしまったということになりかねません。
 参議院選挙を通じて、これらの論点をしっかりと議論していきたいと思います。

    2001年7月4日
                                               横  路  孝  弘