構造改革でどんな日本を作るのか


 


 小泉総理は不良債権の処理、財政構造改革規制の緩和を一層進めることを表明され具体的に道路特定財源の一般化、地方交付税の1兆円カットなどの作業が始まろうとしています。
 個々の問題については本当の改革になるように議論を行って行きたいと思いますが、問題はこれらの構造改革を実現して一体どんな日本の社会を作るかという事です。

 小泉総理が行おうとしているのは、一言でいえば市場主義に基づいた競争と効率の社会ということです。例えば雇用の流動化を進め、解雇が自由な社会にしょうと検討されています。バブルとリストラの10年間で失業者も340万人と雇用が劣化しています。
 非正規社員が3割を超え、パート、派遣労働者が1400万人にもなっています。これらの人は正規社員に比べて賃金が60〜70%で、社会保障の適用も受けていない人が多いのです。
 企業の中で少数の正規社員と派遣社員、圧倒的多数のパートとアルバイトと身分による階層化が進み、結局、社会そのものが階層化する危険性があるのです。所得の格差が拡大し、雇用が不安定になるのです。

 竹中経済財政担当大臣は「強いものはより強くすることが、社会の活力を生む」「低所得者が所得のある人の足を引っ張ってきた」として、法人税の減税、所得税の最高税率の引き下げ、フラット化、相続税の引き下げ。そのかわり消費税を14%という世界を描いておられます。

 現在でも高齢者世帯、雇用者世帯の資産をみますと、貯金200万円以下の世帯が全体の40%を占め、既に二極化がすすんでいるのです。
 犯罪が史上最高、自殺、ホームレスが史上最悪の数字がならんでいます。このうえに現在の構造改革が行われ、すべてに市場主義が導入されるとサッチャー後のイギリスのように格差が拡大し、社会が不安定にますますなるでしょう。

 私たちは競争ではなく人々が協力する協力社会を作るべきであると考えます。そのために、公共財(警察・消防・教育・社会保障)は安心の給付として、公的セクターが責任をもつことです。
 もちろん公的セクターを中心に、市民セクター、民間セクターも役割を分担しながらネットワークをくむことも大切であると思います。
 また、社会的な公正が必要であり、雇用でいえばパートや派遣労働の差別を禁止することなどが必要です。

 コイ・フナ・ドジョウ・メダカが共に生きる社会が日本の社会であり文化です。ここにブラックバスを入れるとどうなるか。ブラックバスは自由を楽しむでしょう。しかし、他の魚の自由がなくなってしまうのです。

 すべてはこれからです。よく見極めていきましょう。

   2001年6月15日
                                         衆議院議員  横 路  孝 弘

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