韓国や中国と歴史教科書のつき合わせを!

歴史教科書問題について

 

 こんにちは、横路孝弘です。北海道にもいよいよ春がやってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 今日は歴史教科書についてお話したいと思います。

 日本の最近の歴史教科書について、韓国や中国からお互いの国家間の歴史を歪めるものだという批判を受けていますが、歴史教科書というものが本当に大事だということに人々が気付いたのは、実は第一次大戦が終わった後、国際連盟ができた中で、歴史教科書問題が取り上げられてからなんです。
 例えばイギリスの哲学者バートランド=ラッセル(1872-1970)が、歴史教育の機能について次のように述べています。
 「子供たちは、自分たちの国家が行った戦争はことごとく防衛のための戦争で、外国が行った戦争は侵略戦争なんだと思うように導かれる。予期に反して、自国が外国を征服するときは、文明を広めるために、福音の光を灯すために、高い道徳や禁制やその他の同じような高貴なことを広めるためにそうしたのだと信じるように教育される。そして隣り合っている二つの国が、相手の国に不信感を持つことの中から戦争が生まれる」

 歴史教科書のあり方について、隣り合った二国が話し合い、お互いの教科書をチェックしていこうという試みが、国際連盟の時代、第一次大戦後から行われました。特にドイツとフランスはずっと歴史認識のつき合わせをやってきました。しかし残念ながらヒトラーが出てきて第二次大戦になってしまうわけです。

 第二次大戦後、ユネスコが設立されました。ユネスコの憲章には「戦争は人の心の中に起きるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければいけない」という文章があります。
 ユネスコはまず、歴史教科書というもの、そして歴史というものはそれぞれの国の勝手で自国の栄光だけを述べて、影の部分は隠してしまうことになりがちだから、そこはお互いの国でチェックしようと提起しました。ドイツとフランスはその前の作業を含めて議論しました。これを「国際歴史教科書対話」といいますが、了解したことについてお互いの国に勧告しました。

 同時にドイツは1972年に、ポーランドとも対話を持ちます。当時ポーランドは東側、ドイツ(旧西ドイツ)は西側でしたが、ここで26項目をまとめました。古代史から最近の第二次大戦に至るまでのいろんな問題について、「この教科書のこの記述は十分ではない」「ここはこういうことをもっと入れるべきだ」というように提案し合いました。これについてはドイツ国内でも大論争になりましたが、しかしそういうことをお互いに行ない、できるだけ歴史を共有していく努力をしてきたのです。
 北欧諸国のフィンランド、ノルウェー、デンマークなどは国際連盟の時代に、歴史教科書についてはそれぞれの隣国の了解を取り付けるという協定を結びました。ドイツとフランスとの文化協定にも、ドイツとポーランドとの文化協定にも、この歴史教育についてお互いが努力をしていこうという約束がなされているのです。

 いま日本にとって必要なことは何か。それは、韓国や中国などと歴史教科書のつき合わせを行ない、できれば共通共同のテキストのようなものを作成して、子供に教えることだと思います。
 それにしても最近話題の教科書は本当にひどい内容です。韓国や中国が怒るのももっともだというような内容です。
 この歴史教科書問題はこれから非常に大事な問題になると思いますので、私ども民主党としては歴史教科書のつき合わせをしていくことを政策として提起するところです。

   2001年4月20日
                                          横  路   孝  弘