議論なしの憲法改正は許さない!     
   その前に、いま必要な政策の実行を!!


 


 皆さんこんにちは、横路孝弘です。
 今年は非常に暑い夏が続きましたが、秋になりますと一変に寒くなってきましたね。いかがお過ごしでしょうか。

 民主党も総選挙を経て新しい体制がスタート致しましたが、スタートした途端に鳩山代表が突然、憲法の改正案を2年以内にまとめるという発言をして、いま党内で多いに議論をしています。
 私ども民主党は、新しい民主党としてスタートするときに、憲法の基本原則である平和主義や国民主権、基本的人権というものを尊重して、それをさらに具体化していきますということを国民の皆さんにお約束してきました。
 そして国会に憲法調査会ができるときに随分いろんな議論を致しまして、この調査会は憲法改正案の発議権は持たない、ともかく5年間はじっくり議論しようではないかと話し合って決めました。党内でもこれから議論がスタートしようとしているときなんです。
 もちろん憲法や法律というものは絶対的なものではありませんから、変える必要があれば変えなければならないと思いますけれども、しかし日本にとっていま必要なことは憲法改正ではありません。世の中が全く混沌・混迷をして、先の将来がぜんぜん見えてこない、雇用の不安とか老後の不安が世の中を覆っている中で、国民の生活をしっかりと守って、そのための必要な改革を行うということこそ、私ども政党に課せられた大きな仕事だと思っています。

 憲法がこういう改革を進めていく上で何か障害になっているかというと、そんなことはありません。憲法を改正しなければできないことはふたつだけなんですね。ひとつは大統領制もしくは首相公選制。もうひとつは憲法9条を変えて、集団的自衛権の行使や海外派兵をすることなんです。日本の自衛隊は日本の国土を守る組織ですから、海外に出掛けることはないので海外派兵は必要ありません。また、日本の自衛隊は日本の国土が攻撃されて初めて自衛権が発動されるわけですが、集団的自衛権というのは、例えばアメリカと同盟関係を結ぶと、アメリカの自衛権が発動されたときに自動的に日本の自衛権も発動されて一緒に行動するということになるわけです。このふたつなんです。
 国民の皆さんの中には、今の政治状況の中では総理大臣は自分たちで選びたいというような考えの方もおられるでしょうし、実際にいろんな問題について国民投票で決める仕組みを持とうではないかという意見もあります。
 それはそれでひとつの考え方だと思いますが、憲法の前文と9条、これを変えますと戦後築き上げてきた日本の大きな枠組みが本当に変わってしまうんです。ですから私たちは、議論はしていかなければなりませんが、そのことを含めて性急に全部を変えるということを許すわけにはいかないと思っています。

 私はアメリカの憲法の考え方が参考になると思います。アメリカの憲法というのは、現行の憲法をそのままにして、必要なことだけ付け加えていくというやり方なんです。憲法をクルクル変えている国もありますが、それは憲法と法律がほとんど同じレベルで考えられている国です。日本のように憲法を国の一番大きな根幹だと考えている国はそんなにクルクル変えるものではないんです。そして憲法改正を推進している人々の中には、憲法の持っている歴史的な意味合いを否定しようという人々もたくさんおります。

 そんな意味で、いま私どもは政策に優先度をつけなくてはなりません。本当の改革をまずしっかりやっていくこと。その上で、この憲法のしっかり守らなければいけない価値、しっかり守らなければいけない条文、少し修正したほうが良いというならばどこをそうしたらいいのか、そんな議論をまずやることが大事で、結論を出すことが目的ではないと思っています。

 来年の参議院選挙、そして次の衆議院選挙で政権をかけた闘いをしていくためにも、自民党と代わる政党としての民主党、政権交代を競い合える対抗軸としての民主党の姿とをもっと明らかにしていくために私は頑張っていきたいと思っています。
 ありがとうございました。

   2000年10月1日
                                          衆議院議員 横路 孝弘

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