自民党には外交も任せられない!
            …北方領土問題で


 


 みなさんこんにちは、横路孝弘です。いかがお過ごしでしょうか。
 総選挙が終わりまして臨時国会が開催されました。その予算委員会の中で、私は森総理と40分ほど外交問題を中心に議論を致しました。

 ひとつは沖縄サミットについてです。
 沖縄サミットはいわば20世紀最後のサミットです。各国の首脳が集るわけですから、本来ならば20世紀という戦争の時代をしっかりと反省し、21世紀を平和の時代にしていくためにはどうしたらいいのかということをしっかりと議論しなければならなかったサミットだと思います。
 しかし残念ながら森総理はその議論を避けてしまいました。いま世界的に大きな問題になっておりますのは、アメリカが進めようとしているNMD、アメリカの本土を守るために、飛んでくるミサイルを打ち落とすミサイル網をつくっていこうという構想についてです。

 この構想に対して、ロシアや中国はもちろんですけれども、カナダやフランス、ドイツなど、みんな反対をしています。どうして反対しているのかですけれども、ミサイルを打ち落とすミサイル網を張り巡らしますと、今度はその張り巡らしたミサイル網を打ち破る開発や、潜水艦の攻撃力を強めることなどにつながる。
 つまりせっかく冷戦が終結して、いわば平和の配当をみんなで受け取りながら核弾頭を減らしている最中に、またこんなことをアメリカだけがやれば、各国の軍備拡大競争を誘発するのではないか。特にロシアと中国の核開発を誘発するのではないかと、アメリカのCIAまでがそのことを心配する報告書を上げているんです。
 沖縄サミットはこの問題を本当にしっかり議論しなければいけない場でした。特に今年は核拡散防止条約というのが締結されて、それを再検討する会議が5月に開かれましたが、そのときもこのNMD(アメリカ本土防衛ミサイル網)をめぐっていろんな議論があって、なかなか話が進まなかったんです。

 今回の沖縄サミットは再検討会議と違って首脳が集るわけですから、まさにそこで議論をしっかりとしなければならなかった。しかし日本はアメリカに気兼ねしてこの問題を避けてしまいました。
 森総理ではそういう発想もないし、出来ないんです。やはり総理大臣というのは、歴史認識や時代認識、未来への展望、地球のこと、人類のことをしっかり考えることの出来る人でなければだめだ、ということを示したのが沖縄サミットで、結局は「お祭り」で終わってしまいました。

 もうひとつ、9月10日にロシアのプーチン大統領が日本にやってきます。そして北方領土問題と平和条約について議論する予定です。
 これは細川総理のときに、東京宣言というのがまとまりました。これは領土問題を解決して平和条約を締結するということです。そしてその後、橋本総理のときにクラスノヤルスクで、2000年までに平和条約をつくろうと決めました。
 ずっと今日まで、領土問題つまり北方四島の問題を解決し、その解決で平和条約を締結しようという流れできていました。平和条約というのは戦争状態を終わらせるということですから、戦争状態を終わらせるためには国境がどこなのかを画定しなければならないわけです。北海道でもずっと北方領土返還運動などいろんなことをやってきました。
 ところが突然、自民党の野中幹事長が、今までロシアが主張してきたように、領土問題を棚上げして平和友好条約をつくろうではないか、平和条約ではなくて友好条約をつくろうと、こういった話を突然したわけです。今までやってきたことと全く違う「政策の転換」を訴えたわけです。

 これは本当に「けしからん」ことだと思っています。そんな意味では本当に今回の措置はもう自民党には外交も任せられないということを示しました。
 次の臨時国会をめざして、また頑張ってまいります。

  2000年8月12日
                                          衆議員議員  横 路  孝 弘