道州制を目標とした北海道特区を政府は推進すべき
2004.4.21

 北海道が先行モデルとなっている道州制特区構想について、「道から具体的プランを出しても、中央省庁がひとつひとつチェックするなど抵抗が大変強い。地方に任せる、国と地方のあり方を基本に考えるという道州制を目標として北海道特区を推進すべきではないか」と問い質しました。
 それに対して担当大臣は「道州制と北海道の道州制モデル特区構想は分けて考える」と北海道モデル特区に消極的な回答をしました。
 そこで横路さんは「それなら今までの構造改革特区と変わらない。道州制というのは国の形の基本を変えるということが基本になっている。道州制特区も既存の特区構想に乗っけてやるのではなく、権限や税財源の移譲、一括交付税制度や統合補助金による自由裁量、規制緩和などの改革論議と一体で取り組むべきだ」と強く主張しました。
 また「道州制モデル事業推進費として100億円が国から計上されているが公共投資に限定されている。国の関与を大幅に縮小し、地方の裁量で事業を決定できるような統合補助金にしてほしい」と求めたが、政府側は「今までより一歩も二歩も地方の裁量を増やしたものと考えます」とあいまいな回答に終始しました。
 これに対して横路さんは「どこが変わっているのか。従来の補助基準と変わらないではないか。地方に任せられないのか。道州制の先行モデル事業なんていうのは名前だけで何も変わっていないのではないか」と厳しく追及しました。そして、国の直轄事業では地方に発言権がなく負担金だけ押し付けられている点を指摘し、「補助事業は一括交付金制度にするとか、直轄事業の負担金はやめるというのが道州制をめざした公共事業のあり方だ」と訴えました。

 議事録全文は以下のとおり

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道州制について質問する横路孝弘

○横路委員 きょうは、構造改革特区に関連して三点ほど御質問をしたいと思いますが、最初の第一点は、道州制と道州特区の問題でございます。
 私ども民主党も、結党以来、分権型の連邦国家を目指すということで地方分権に積極的に取り組んでまいりまして、二〇〇〇年六月の総選挙で、国の形を大きく変えていこうということで道州制を掲げまして、国と地方の役割分担でありますとか、あるいはそれに基づく税源の配分のあり方など、具体的に議論をしてまいりました。
 昨年の統一地方選挙あるいは衆議院選挙でも、政権をとって十年をめどに道州制に移行していこう、そのために、今からできること、例えば、個別の補助金を原則的に廃止して一括した交付金制度に変えていこうとか、あるいは税源の配分を、今、国と地方三対二ぐらいになっているんですか、それを一対一にしていこうというようなことなどを具体的に問題提起してきたわけであります。
 それだけに、道州制が、二十八次地方制度調査会ですか、これで議論されることになったというのは大変喜ばしいことだと思っておりますが、そうした中で、北海道が道州制の先行実施という形で今特区構想に取り組んできているわけであります。
 私は、道州制を進めていくに当たっては、やはり政府の基本的な方針、道州制を進めるんだという方針、方向性というのを明らかにした上で議論していくということが大変大事だと思うんですけれども、金子大臣、いかがでございますか。

○金子国務大臣 道州制を進めていこう、またそれに期待するということで、政府としても、内閣府に担当部署を置きまして、進めるという姿勢は、方向としてきちっと設置させていただきました。
 ただ、先生、国と地方のあり方ですよね。北海道だけじゃなくて、全国の一つのモデルになる。そのときに北海道自身が、今先生が御指摘になられましたような、補助金をどうする、全部地方に任せる、国と地方とのあり方の問題でもあります。北海道の経産局、なぜ廃止しないのか、どうしてそういう案が北海道から出てこないのだろうか。こういう意味で、国と地方のあり方ということで、これは地方自治体である北海道が、どういう姿が望ましい、どういう姿でやりたい、この原案をやはり基本的には出していただく必要があるのだと思っております。
 もとより、国と地方のあり方でありますから、今御指摘のように、地方制度調査会、議論はしていただいておりますし、一方、そこでの議論も国としては進めておりますので、私たちもそこは見守っておるところであります。
 ただ、基本的には、道として先駆的に進めたいというような知事の御意向でもありますので、その際、あるべき姿をどうお考えになっているかというのをお待ちしているという状況であります。

○横路委員 私は、一般論として、具体的な中身は後で議論しますが、道州制という方向にあると思うんですね。
 この特区構想というのも、もともと、今、国と地方との関係で考えますと、大きいのは、補助金と、あともう一つは規制ですよね、許認可ですよね。
 許認可も多分一万一千件を超えていて、これは大分、規制緩和を進めてきたというけれども、一方でやはり規制も生まれていますから、数としては減っていないんですね。経済的な活動に関する分野の許認可も減っていないという状況にあります。
 他方、もう一つは補助金ですね。これも多分、予算で、私の記憶に間違いなければ二十兆円前後ぐらいの補助金、特にそのうち大部分が地方自治体への補助金ということになっていると思うんですね。
 今度の特区構想というのは、本来は、許認可とか補助金を全体としてどうするかということ、これは細川内閣のときの地方分権推進委員会の中でもいろいろと議論されてきたわけですけれども、どうもそれはやはりなかなか中央省庁の抵抗に遭ってうまくいかないというので、この特区構想で地域からの声を受けて、少しでもそういうところに風穴を開けていこうということだと思うんですね。
 この特区構想でよかった点は、いわば多くの地方自治体の人、あるいはいろんな活動をしている人々にとって、NPOにとっても企業人にとってもそうですが、表通りでいろいろと物が言えるようになった。そこは非常に特区構想のいい点、プラスの点ではなかったかなというように私は思います。しかし、やはりベースとして、ちまちまと一つずつやっている。後で議論しますが、幼保一元化も、特区構想の中で大分その方向に進んできていますが、しかし、ちまちまとして、一つずつ一つずつという感じですよね。それだけ中央省庁の抵抗が強いということだと思うんですけれども。
 やはり、国の基本的な形、構想というのをどうしていくのかというときに、道州制を置くとするならば、私、一つ参考になるのは、細川内閣のときの地方分権の空気がわっと盛り上がったときに、これは平成六年の九月ですけれども、地方六団体が意見書を出しているんですね。
 この意見書を見ますと、基本的に、地方自治体の方に仕事のベースを置いて、国の方はこの仕事をやってくださいという形になっているんです。結局、国と地方公共団体というのが責任を分かち合おうと。「国は国際社会の中における主権国家としての一貫性を必要とする事務、全国的に統一して処理すべき事務及び生命、安全等の基準の設定に関する事務に専念し、地方公共団体はその他の国内の行政に関する全ての事務を所掌する」ということで、国の関与などについても、六団体の気持ちが非常によくあらわれている提案になっているわけなんです。
 国は外交とか安全保障とか今言ったような全国に共通する問題を対応しなさい、あとは全部地方自治体でやろう。これが、ある意味で言うと、道州制のときの国と地方のあり方を一つ示しているのかなというように思いますが、これをお読みいただきまして、どのようにお考えでしょうか。

○金子国務大臣 平成六年の自治体の意見書ですね。これは、こういう方向で、将来、いずれにしても、今でも生きている、また今でも私たちこれを非常に参考にして、国と地方のあり方というのを議論していく一つの切り口であると思っております。
 それから、道州制に戻りますけれども、内閣府に政策統括官、担当を置いて、一方で内閣としてもそこで議論を今始めさせていただいておる。多分、これもその切り口の一つとして議論をされておるものと思います。

○横路委員 内閣府の方に北海道の特区担当のセクションが生まれたんですか。ちょっとそちらの方にお尋ねしたいと思うんです。
 この北海道特区というのは、道州制を目指して、あくまでも目標はそこに置いて、そのための先行的なプログラムとしての特区構想だと思うんですね。そうしますと、将来的な道州制についての基本的な姿というものがやはりベースとか目標になって、その上でのいわば特区構想だというようにならなければいけないと思うんですが、その点はいかがお考えなんでしょうか。

○大田政府参考人 道州制特区につきましては、昨年の十二月に経済財政諮問会議で高橋知事からそのアイデアを御提案いただきまして、政府としましては、北海道との連絡に当たる窓口を定めまして、北海道との連携を図ってきております。
 今御質問のありました道州制に関しましては、三月に発足いたしました第二十八次地方制度調査会で総理から諮問がなされておりまして、政府としましては、そこにおける審議を見守ってまいりたいと思っております。
 一方、北海道の道州制特区につきましては、まずモデル地区としてその取り組みを行う、そして、それによって北海道の皆さんあるいは国民がその広域的な道州制というものに関してどんな成果があるのかを実感する、それを通して道州制に関する国民的な理解や議論が深まるという効果が期待できるのではないかなと思っております。

○横路委員 今お話があった十二月十九日ですか、経済財政諮問会議で道州制について北海道の高橋知事がお話をされたということで、そこで、四つの基本方向ということで、国から道への権限の移譲、それから統合補助金の拡充とか統合交付金制度などによって自由裁量をもっと地方へ高めてほしい、それから規制改革、それからもう一つは国の出先機関との一元化というこの四項目を御説明されたようですが、経済財政諮問会議でこの方向性というのは一応了解されたということなんでしょうか。

○大田政府参考人 知事から、今先生がおっしゃいました四つの基本的な方向をお示しいただきました。これは、アイデアの御紹介をいただいたということで、その後、北海道におかれましては、引き続き道州制特区の検討を進めておられまして、近く、道としての提案をおまとめになるというふうに聞いております。

○横路委員 そこで、道州制のプログラムと特区に向けた提案というのをたしか今取りまとめ中なんですが、それを今度はどうするんですか。経済財政諮問会議に報告をするということになるんですか。今後の手順というのは、どんな手順になっていくんですか。

○大田政府参考人 まずは、北海道がお出しになります提案内容を十分に見きわめる必要があると思っております。
 これまでの経緯からいたしまして、経済財政諮問会議で最初の御提案をいただいております。今後、その御提案内容によりまして、効果的な手法を活用して対応してまいりたいと思っております。

○横路委員 その提起された問題というのは、構造特区というように、道州制特区というような形で言われているわけですが、これは、提案が出てきて、その後、具体的にどこでどう検討するんですか、国の方のサイドは。多分、いろいろと、補助金のあり方とか許認可について、あるいは規制について、こうしてほしいというのがいろいろな分野で出てくると思うんですね。
 これは、今進めている構造特区構想に乗っけてやるんですか。それとも、いや、それはきちっと受けとめて、まとめて認めていこうということになるんですか。悪くすると、要するに、今の構造特区のやり方で一つ一つ全部やるようになりますと、たくさんの提案があるようですから、そうすると、物すごい各省庁との交渉で、結局わけのわからぬことになるんじゃないかというように思うんですけれども、これは、どのようにしてそれを認めていく、その手順ですね、特区に乗っけてやるんですか。それとも、そうじゃなくて、ちゃんとその提案を受けとめて、もちろん議論をした上で、何か特別に法律をつくってそれを推進するというような方法論をとるんでしょうか。どうなんですか。

○金子国務大臣 先に、構造特区を担当している私からお答えいたしますが、北海道特区、道州制特区というのが少し誤解を生んでいるかもしれません。
 この特区というのは、御存じのように、障害がなければ、問題がなければ、全国化していきます。そういう意味で、北海道だけでない、全国にこれは当然でありますけれども及ぶ問題であります。
 そのときに、先ほど先生が御指摘いただいたような、権限を完全におろしてしまう、補助金も一括化して渡してしまうというようなことは、さっき平成六年度の自治体の意見を伺いましたけれども、国と地方の姿の問題です。ここを地域再生あるいは特区だけで議論をしてもいいんだろうか。やはり、各省庁、かなり幅広い。そこで、地方制度調査会で議論してもらい、一方で、道州制の担当をつくってもらっております。
 案件が、中身がどういうのが来るのか私まだ全く承知しておりませんけれども、特区ということで対応できるもの、あるいは国の姿のあり方にかかわるもの、ここはやはり峻別して、当面、私としては考えさせていただきたいと思っております。

○横路委員 何かちょっとよくわからないんですけれども、要するに、特区の構想に乗っかってもし手続をとるとすれば、これを提起して、個別にいろいろな提案がありますよね、後で少し議論しますけれども。そうすると、それについて、いいとか悪いとかという議論になってしまうわけですね。
 問題は、これは、総理の発言もスタートのときにやはり大きい影響を与えていまして、その考え方をとると、ともかく道州制を推進していくんだ、そのためには北海道は一つの地域だからやりいいだろうと。先行的にいろいろとやりなさい、提案何でもしなさい、それをしっかり受けとめますよということなんですね。
 ですから、個別に一つずつ、一本ずつ全部チェックさせてもらいますというなら、何も今の構造改革特区に乗っけて提案をすればいいだけの話なんですね。
 そうじゃなくて、道州制という姿、それは、これからの新しい地域の生活の姿とか経済の姿だとか、要するに、地域の経済の活性化という、よりよい地域社会をどうつくるのかという観点がベースにあって、そして今までの、例えば中央集権的な制度、仕組みというものは、地方のいろいろな自助努力だとか、いろいろな新しい創意工夫といったものを生かすんじゃなくて、それをどうも殺してきたという嫌いもあるので、やはり変えようというところに道州制の議論があるわけですね。
 だから、道州制というのは国の形の基本を変えるということがベースになった議論なわけです。それが、たまたまやりいいから、一つの地域だから、やりいいから北海道でやろうじゃないかということでスタートしたんだと思うんですね。
 ふたをあけてみたら、まだ今提案をまとめているところなんですが、話を仄聞すると、大分やはり中央省庁との議論があって、提案の中身はまだまとまらないということのようなんですが、しかし、それを受けとめてもらって、特区に乗っかって一本ずつやるならば何も意味がないので、何も道州制特区なんという名前をつける必要もないわけですね。ですから、そうじゃなくて、これは内閣府の方の担当のところでしっかりそれを受けとめてもらって、今までの構造改革特区に乗せるのではなくて、やはりどうするのかということ。
 中には確かに、国と地方との関係の基本にかかわる問題提起というのはあります。あるけれども、やはりそれをあえて受けとめて、まずやれるところからやっていこうということは将来の姿を示すことにもなるわけですから、この特区構想というのは、将来の姿を何も示すことにならなければ、やる意味合いもないわけですよね。
 ですから、そこのところを、わざわざ内閣府に担当するセクションもできたわけでしょう。ですからそこで、これからの手続として、既存の特区構想に乗っけてやるのではなくて、やはり提案を丸ごと受けとめて対応するということをぜひ検討していただきたいと思います。いかがでございますか。

○大田政府参考人 諮問会議での高橋知事の御提案を受けまして、政府では、北海道との連絡に当たる窓口というものを当面の支援措置として設けました。担当するセクションというよりも、連絡に当たる窓口を設けて、連携をこれまで深めてきております。
 特区というのは、何より地方からのイニシアチブで提案がなされるということでございますので、私どもは今その提案を待っている状態です。その提案をいただきまして、趣旨に即した成果が上がるように、提案内容に応じまして、今の制度も含めまして、効果的な手法を検討していきたいと思っております。

○横路委員 これは金子大臣の担当じゃないんですってね。何か、竹中さんの担当なんですって。地域の再生担当をされているんだから、この道州制特区というのはまさに地域の再生をどうするかということですからね、本当は私は金子さんが担当されるのがいいのではないかなと思っておりましたが、担当が違うようであります。
 それで、道州制というのは、議論していきますと、結局は、地方交付税だとかあるいは補助金だとか税だとかいった、そういうものの改革論議と一体になるわけですね。道州制というものは、最終的には、やはり財源、税源、それから権限といった、今の三位一体の中で議論されている、そういうものとの抜本的ないわば再構築が必要になってくるんです。その特区から道州制へという流れの中で、例えば規制と一体となっている補助金改革を進めようということになりますと、一括交付金制度の導入といったような問題と結びついてくるわけですね。
 ですから、これは、もう一度繰り返しになりますが、個別のいろいろなことじゃなくて、やろうと思ったときに、やはり今議論されている基本的なこととの絡みが出てくる。その絡みの中で、ここを先行的なモデル地域とするならば、できることはやはりやっていくという決断が必要になってくると思うんですね。これはいかがお考えですか。

○金子国務大臣 御指摘のように、国と地方のあり方という意味では、特区室ということだけで済む話ではない、政府全体としてということで取り扱わさせていただいておりますけれども、やはり、そうはいっても、今度の地域再生、私は担当しております。そういう中でも、これは来年度予算等でぜひ検討を、今提言していきたい、政府として進めていきたいと思っておりますけれども、地域から統合補助金の御要請も現実には出てきております。統合補助金。
 それから、補助金の採択要件の緩和。おれたちの地域は五十人要らない、別に予算をふやしてもらう必要はないけれども、三十人の地域で、しかしこれは非常に、これだけの雇用効果がある事業であるといったような要請も、これはもう既に伺っております。
 そういう意味で、補助金もいわばそれぞれの地域に合った、いい、有効な使い方。その中で、今御指摘いただいたような、一括交付金というところまですぐいきませんけれども、地域に合った、また地域が使い勝手のいい統合補助金制度といったようなものは積極的に導入をしていく。これは三位一体の議論の中で進めている一つのテーマであります。

○横路委員 これから出てくる特区の提案の中で、例えばこんな提案もあるんですね。地方公共団体の自主的、主体的な裁量による政策実施を可能とするために、条例等によって政省令の規定を代替できる仕組みを検討してもらいたいというようなこととか、国の地方支分部局との機能等統合の検討といったような問題があるんですが、この辺のところは、何か、もう既に道の方とは国は話をされているんですか。

○大田政府参考人 私どもも今先生が御紹介になりました資料は拝見しておりますけれども、具体的な内容についてはまだ伺っておりません。

○横路委員 これらの問題は、ちょっと特区でやるというよりは、やはり新しい法律だとか制度が必要な問題なわけです。ですから、そういう問題も出てきますので、しっかり受けとめてやっていただきたいなというように思います。
 そこで、「道州制検討に関する意見書」というのが、道州制推進会議、北大の宮脇先生が座長になってまとめられた意見書が、この四月の五日に出ています。
 その中で、一つは「国の推進体制の充実」ということで、国側の体制整備、それから、権限とか税財源の裏づけを確実に確保した中での改革が着実に進められること。それから、これから議論しますが、平成十六年度の道州制の先行実施に向けた百億円の予算というのが決められているわけですが、これは公共投資に限定されている、もっと幅広い分野で活用すべきだというような意見なども出されております。
 これは御承知ですか。これは国の方にも来ているんでしょうか。

○大田政府参考人 推進会議の御報告は、道庁向けに出されたものでありますが、資料としては承知いたしております。

○横路委員 ぜひ、具体化してきたときに、この意見にあるような体制をしっかりとっていただきたいというように思います。
 それで、道州制、そのモデル事業ということなんですが、これは今年度の予算に道州制北海道モデル事業推進費として百億円計上されていまして、四年間の事業計画を策定するということなんですね。四年間で、国が四百、道が四百の八百億円相当の計画になって、地方の自主性と裁量性を生かして、複合的な事業を選択し、道が市町村と連携して策定し、国が同意するという制度の内容になっているようなんです。
 このモデル事業について、道の方で、こんなモデル事業の取り組みをしたいという基本的な考え方を明らかにしているわけですね。
 一つは、国の関与を大幅に縮小して地方の裁量で事業を決定できるように、統合補助金を拡充してもらいたい。それから、事業分野。今公共事業というのは、本当にこれはずっと言われて久しいんですが、予算それから補正予算を含めて見てみると、事業別のシェアというのはほとんど変わっていない。そういう固定化を打開していきたいということですね。それからもう一つは、直轄と補助事業の連携を強めていきたい。それから、補助基準を弾力化してほしい、特にソフト事業への活用といったようなことなど、基本的な方針として整理されているわけなんです。
 これは予算の執行にかかわってくることでございますが、もう国の方との協議は終えているんですか。こういう方向性でやられるんですか。

○藤本政府参考人 お尋ねの道州制北海道モデル事業推進費でございますが、まさに北海道の自主性、裁量性を大幅に採用した制度となってございます。
 具体的には、北海道開発事業に計上されております国土交通省の事業、あるいは農林水産省、厚生労働省、環境省等におきます道路とか河川とか港湾、農業農村整備、水産基盤、水道、廃棄物処理等々の補助事業の中から、テーマに応じまして自由に北海道が選択して組み合わせができるということで、北海道の裁量性を拡充いたしまして、国の関与を最小限とした制度となっておるわけでございます。
 なお、その具体的な内容につきましては、現在、北海道庁が、先生先ほどおっしゃっておりましたが、豊かな自然環境の保全でございますとか、観光とか、災害に強い地域づくり、こういった三つのテーマを設定いたしまして事業計画を策定中でありまして、近々私どもに提出される予定と聞いております。

○横路委員 これは、例えば従来の国の補助基準の上でやるんですか。そういうところも地方の自主性というか主体性というのは認めてやろうということになるんでしょうか。
 つまり、北海道の公共事業、直轄と補助が大体半分半分ぐらいですね。その補助事業について、できるだけ一括して交付金制度にしていく。ことしはこういう形でなりましたけれども、あと来年度以降になりますと、そういう声もあるわけです。そして、もう少しソフトの事業にも活用できないだろうかという声がありますが、この辺のところはいかがですか。

○藤本政府参考人 この事業、従来の補助事業に比べますと一歩も二歩も格段に裁量性を増したものである、こう考えておるところでございますが、先生は、さらにもう一歩二歩進めるべきだ、こういう御指摘だ、こう思っております。
 公共事業でございます北海道開発事業の枠ということを考えますとなかなか難しいものはあるとは思っておりますが、今後、北海道庁の要望内容を具体的に聞いた上で北海道局として可能なことは進めてまいりたい、こう思っております。

○横路委員 しかし、もう予算執行していかなければいけないんでしょう。ですから、今までの枠を超えるのは難しいというお話だと、従来の補助の基準に従ってやるということですから、どこが変わってくるのかということになるわけです。
 補助事業ですといろいろな手続が必要ですね。例えば、道路一本、国の補助金もらってつくろうと思えば、平面図とか横断図とか縦断図とか、図面を持っていって判こを押してもらわないとお金はおりてこないわけですよ。そういう補助事業に伴う手続みたいなものとか、そういう点を地方に任せるということにはならないんですか。あくまでも従来の枠組みでやるというならば、道州制の先行モデル事業なんて、名前はそうなっているけれども何も変わらないということになるんじゃないんですか。

○藤本政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、この事業、例えば道路事業とか河川事業とか個別に決めるわけではなくて、北海道開発事業の中にあるいろいろなメニュー、北海道開発事業の補助事業のメニューの中から自由に選択できるんだと。
 先ほど先生おっしゃっておりましたが、シェアとかなんとか、そういったものにとらわれず、自由なテーマを設定して、それをそういった補助メニューの中から選択して自由に使えるということが最大のポイントだろう、こう思っておりますし、国の関与は最小限にということで、包括的に事業計画を我々承認するというふうなことになっておりますので、御理解いただきたいと思います。

○横路委員 では、個別事業について、個別の同意というのは必要ないということですか。包括的にやればいいということですか。

○藤本政府参考人 年度計画で包括的に承認ということになってございます。

○横路委員 例えば直轄事業についても、全国知事会の方で、直轄事業に伴う負担金というのがあるんですね。例えば北海道ですと五千億ぐらいが直轄事業だと思うんですが、大体三割ぐらい、千五百億ぐらい。今どうなっていますか、数字減っていますか。それぐらいの直轄事業負担金があって、これはもう明細書なしの請求書なんですよ。どういうふうに使ったか関係なしにぽんと請求書が来て払わぬといけないというお金なんですね。
 直轄事業に地方はほとんど発言ができません。国がみんな事業を全部内容を決めてしまって、そのかわり、後始末ですね、例えばダムをつくったときにいろいろ出てくる地域住民対策みたいなものは地方がやる、大体こんな仕組みになっています。
 ですから、今回、道州制をにらんでいくというならば、例えば直轄事業の負担金はやめるとか、補助事業は一括交付金制度にしてしまうとか、こういうことをやると、やはりこれは道州制を目指した一つの特区の中における公共事業のあり方だというように思うんですね。
 しかも、直轄事業の中でも、将来の道州制のときに、では、国は、そういう道州制の場合に、今直轄事業としてやっているものをどれを残して、どれを地方に移していくのかという問題も出てくるわけです。例えば重要港湾だとか重要空港だとかというところは、それは直轄でやりますよということになると思うんですね、重要河川だとか。しかし、それ以外はできるだけ地方に移していきましょうと。
 これが地方分権推進会議の中で議論されて、最後の最後のところで、あれは橋本さんから小渕さんに政権がかわって、それでだめになってしまった点なんですね。それはずっと残っていまして、公共事業改革の中で。ですから、今回モデル事業としてやるならば、やはりモデル事業にふさわしいやり方をぜひしていただきたいということを特にお願いしておきたいというように思います。
 いずれにいたしましても、これから具体的な案が出てくるんでしょうから、それを受けとめて、小泉さんは、経済財政諮問会議のときは大分元気のいい発言をされておられます。しかし、問題は、許認可とか補助金、国と地方との関係というものをやはり大きく改革していく中で、ではそれにふさわしい行政の組織のあり方がどうなのかという行政改革の問題がそこから提起されて出てくるわけですね。ですから、根っこのところをしっかり進めないとこれはやはりだめなわけでして、そんな点で、いずれこれは特区の中にもあるいはいくかもしれません。私はそうじゃなくてまとめてやってもらいたいというふうに思っていますけれども。しかし、そういう道州制をにらんだ問題なんだということを十分御認識いただいて金子大臣にも対応していただきたいというように思いますが、いかがでございますか。

○金子国務大臣 今の取り組み方の考え方については、私は先生と同じ意見です。
 あと、まだ、具体的に特区という意味でどういう御意見が出てくるのか、受けとめるべきものはきちんと対応させていただきたいと思います。

○横路委員 それでは、ちょっとテーマを変えまして、幼保一元化について少し議論させてもらいたいと思います。
 この幼保一元化というのは、何か大正末期ぐらいから延々と議論している課題なんだそうでありますが、最近、先ほど来話が出てきました地方分権の流れの中で、地方分権推進委員会の第一次勧告が出て、それから厚生省、文部科学省、それぞれ協力をして、それに向かって歩みが始められてきたという中で、特にこの特区構想の中で随分たくさんのやはり地方から声が出てきて、少しずつその方向に向かって制度改革が進められてきているということなんですが、これは一遍にできないんですかね。
 例えば一体施設の点ですが、共有化できますよということになっても、共有化できる施設というのはトイレだとか遊戯室など一部であって、教室は別々でなければいけないとか、それが認められたら、合同保育は認められるようになりましたけれども、今度、教師ですね、幼稚園や保育所の先生はそれぞれに必要だというようなことなどいろいろありまして。
 今残っているのは、保育所には調理室が必要である、調理室で給食をつくらなければいけないということが残っているんですね。なぜこの問題は解決できないんでしょうか。こういう申請というのも地方から出てきていると思うんですが、それをだめだと言った理由というのはどういう点にあるんでしょうか。

○伍藤政府参考人 保育所の調理室の問題でございますが、保育所は、平均的に、標準の開所時間が十一時間、それに延長保育があるということで、いわば子供の生活の施設、生活の場でございます。しかも、ゼロ歳児から乳幼児を含む非常に広範な子供をお預かりしておるということで、子供の健全な発育とか発達、健康管理、あるいは、場合によっては離乳食とかアレルギー体質の子供だとかいろいろな子供がおりますが、そういったものに総合的にこたえていく、やはり施設施設できめ細かい配慮をするというような観点から、こういった調理室が必要だということを求められてきたというふうに考えております。

○横路委員 これは、申請を却下したケースというのはあるんでしょう。最近却下したケースは。(発言する者あり)

○伍藤政府参考人 提案を拒んだという御趣旨がもう一つわかりませんが、多分、私立保育所における外部搬入の際の特区を認めなかったということでございましょうか。(横路委員「そうですよ、外部搬入の話ですよ」と呼ぶ)
 保育所に調理室が必要だということと、外部搬入を認めるかどうかということは、これはもう一つ別の観点の問題だと思いますが、外部搬入を保育所に認めるべきだという御議論がございましたので、これは、今まで調理室を置き、しかも自前の、保育所ごとに調理をするということを原則にしてまいりましたが、これを特区制度で、そういった外部搬入という形をまず特区でやってみようということに踏み切ったわけでございます。
 多分、御指摘のあれは、公立の保育所について外部搬入をやってみようということで認めたわけでありますが、私立の保育所についても認めてくれという声がありました。これは一部試験的にやるものでございますし、必要性の高いのは、公立の保育所が非常にコストがかかっておる、高コスト体質であるということが常々言われておりましたので、まずやるとすれば、外部搬入はセンター方式で、市町村がいろいろ給食のセンターを経営している場合が多いわけでありますから、そういう観点から、まず公立の保育所でやってみようということになったわけでございます。

○横路委員 大体、市町村が給食センターを持って、小中学校とかあるいは私立の幼稚園とかいろいろやっているケースというのはたくさんあるわけです。そういう中で、今回、公立の保育所のみ認めて、私立の方はだめだということになったわけですね、外部は。先ほど、子供はアレルギーとかいろいろあるというお話がありましたが、しかし、それはそれで十分学校給食の方も対応してやっているわけです。
 例えば、そのケースは北海道の稚内市なんですけれども、ここが申請を出して、けられたということなんですね。ここは今、市内の公立小中学校と七カ所の私立幼稚園、ここは幼稚園は全部私立なんですね、それから五カ所の僻地の保育所には、給食センターから出しているわけです。それから、認可保育所が三カ所あって、そこはそれぞれでやってきたわけですね。その私立の幼稚園、そこに、幼保一元化ですから一緒にしようというときに、では調理室の問題がどうなのかという話になって、外部搬入を認めてくれないだろうかということなんですね。
 これは幼稚園の方には認めてきているわけでして、年齢も、ゼロ歳、一歳、二歳は保育所の方になるわけですから、幼保一緒にやろうという場合には、多分、三歳以上ということになるわけですね。そうすると、そこでだめだという理由というのはなかなかないんですね。学校の給食センターがそういう能力がないとか安全性に心配があるというなら別ですけれども、そこは心配がないから、幼稚園の方には供給してきているわけですね。
 ですから、このいろいろな議論を見ていますと、一つずつ行きつ戻りつしながら来ていて、この問題だけちょっと残っている感じがしますが、これはどうなんでしょうか。公立はいいけれども私立はだめというのもおかしな話だと思いますが。

○伍藤政府参考人 先ほど御説明申し上げましたように、まず、外部搬入ということがいいかどうかということを試験的にやるわけでありまして、これを順次拡大していくという方針を決めているわけではありません。
 そういうことで、これをやってみて、外から給食を持ってくることが本当に保育にとっていいのかどうかというようなことをよく検証して、これを将来どうするかということをやるための一つの材料にするということでありますから、ここでいきなり、特区とはいえ、それを拡大してやるということよりも、まずは、そういう形で、外部搬入ということを必要性の高いところで認めてみて、しかも、私どもは、ちょっと議論が混乱するようですが、外部搬入の際にも、先ほど言いました調理室は、外部搬入に対応するような調理室は必要であるという前提のもとに、今回の実験を行おうとしておるわけであります。
 そういったいろいろのことを慎重にやりながら、外部搬入そのものが、将来の保育園とかそういうものの運営にとって本当に必要なことなのか。今、幾つか、自治体の動きを見ますと、従来、センター方式でやっていた方式を、子供の健康管理とか食の安全とか食育という観点から見直すという動きも今出てきておる自治体が多いわけでありますが、そういったこともよく考えながら、この問題には取り組んでいく必要があるというふうに思っております。

○横路委員 金子大臣にお伺いしたいと思うんです。
 私立の幼稚園の方はそれで外部給食を受けているわけですよね。同じ年代の子供で、保育所の方はだめだというのは、これは何か理屈がある話だと思いますか。

○金子国務大臣 私も、今の厚労省の説明を伺いながら、どこに差異があるんだろうか。
 ただ、今ありましたように、賛成する部分と、一方で慎重にやらなければいけない部分というのも、特に幼児の食の話でありますので、弊害が起こらないような方法、プロセスを経ていきたいというのが今厚労省としても御意見としてはあるんだと思いますので、もう少し議論をさせていただきたいと思っております。
 それから、弊害だけはやはり防止していかないと、特に子供の食でありますのでという観点は大事にしていただかなければいけない部分だと思います。

○横路委員 保育所関係の組織の一つに、社会福祉法人の日本保育協会というのがございます。これは昭和四十八年に社会福祉法人に改組したものですが、国からの事業委託を受けている団体でございまして、平成十六年度予算で三億一千二百六十七万二千円の事業補助を、委託を受けて事業をしております。
 この保育協会と一体の政治活動を行う部門として、昭和四十九年に日本保育推進連盟というのが結成されました。これは自由民主党の友好団体としての位置づけがなされておりまして、特に、そのホームぺージを引いてみますと、選挙活動、政治活動を一生懸命やってきたということがあります。地域によっては、保育協会の会員というのは、ほとんど全員、日本保育推進連盟に入っております。
 それからもう一つ、全国保育政治連盟という組織がございます。この政治団体がどういう活動をしてきたのかというと、この幼保一元化に反対、それから調理室の必置規制を存続しろという活動をしてきているんですね。
 この政治団体の方、だれが責任者かというと、政治団体の代表者は、日本保育推進連盟は小泉純一郎さんが代表者なんですね。会計責任者は大島さんという日本保育協会の理事をやっている方なんです。
 それで、ちょっとこれを厚生省の方に調べていただきたいんですが、私の知っているところでは、この保育協会が推進連盟の方の会費も一緒に集めているんですね、会費も。保育協会というのは、これは国からの委託を受けた委託事業をやっている団体ですから、そういう政治活動に協力をするということはやはり問題がある、政治資金規正法上の問題もあるんじゃないかということで、ひとつ実態の調査をしていただきたい。この保育協会、それからこの推進連盟。保育協会の方で大体年会費が四千円ぐらいのようなんですけれども、推進連盟の費用も保育協会の方で会費と一緒に集めている、それを推進連盟の方に多分出しているんだと思うんですね。
 ということでして、調理室のこういう問題がどうしてうまくいかないのかなというように見ていますと、実はやはりそこに政治の姿があって、しかも、小泉さんがこの団体の責任者なんですからね。本人は規制改革、構造改革だと言いながら、しかし、その団体そのものは、まあ、小泉さん、どれほどその団体の活動を知っているかどうかわかりませんよ。わかりませんけれども、しかし、その団体が十六年度予算に向かっては、特にこの調理室の必置義務を何とか存続しろということでいろいろとやっているということでございまして、言っていることとやっていることが違うということでございますが、そこをひとつお調べいただきたいというふうに思います。
 よろしゅうございますね、その保育協会と政治団体とのその関係。

○伍藤政府参考人 日本保育協会は私どもの関連団体でございますから、調査をさせていただきたいと思います。

○金子国務大臣 幼保一元化、小泉総理が保育協会の会長だったのは私はついぞ知りませんでしたけれども……(横路委員「保育協会でなく、保育推進連盟」と呼ぶ)保育推進連盟。
 しかし、幼保一元化を強力に促進したのも小泉総理でありまして、特に、特区第一号で、岐阜県の瑞浪で保育所、幼稚園を一元化させました。そのときにも、坂口厚労大臣と話をつけまして、本来、厚生省が、幼保一元化するならば使った金を返せと、返還というのが出たのでありますけれども、同じ国の金ではないかと。消費者といいますか、地域の父兄の利便を考えれば、やはりこれは、幼保一元化というのは大事だと、特区第一号でやりました。それを後ろから支えてくれたのも小泉総理であります。
 そういう意味で、保育連盟が特定の政党の支持団体だから幼保一元化が進めないのではなくて、むしろ逆に、進めたのが小泉総理だと思っております。

○横路委員 いや、金子さんのお気持ちはわかりますけれども、実際の団体としての活動はそうではないということだけ御指摘させていただきたいと思います。
 それで、もう一つ。今回の中から新しい何か総合施設構想というのが出てきましたね。今まで幼保二元化しているから一元化だと言ってきて、今度は何、さらに三元行政になるんじゃないですか。これは一体どういう組織なんです、この新しい総合施設というものは。これは、今ある幼稚園とか保育所というのは将来は解消して、ここに全部吸収しようというものなんですか。何をねらって、どういう形なんでしょうか。

○伍藤政府参考人 これは、昨年の六月の経済財政運営と構造改革に関する基本方針の中で表明されたものでございまして、そこに書かれておりますことは、社会構造、就業構造の著しい変化を踏まえて「地域のニーズに応じ、就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設の設置を可能とする。」こういうことでございまして、従来から議論のありました幼保の一元化の一つのモデルとしてこういうことを検討しろ、こういうことだと思いますので、現在私ども、文部科学省といろいろ、審議会も共同でこれから開催をいたしますし、事務レベルでもいろいろ協議をしながら構想を固めておるところでございます。
 幼稚園、保育所、それぞれに対象者も異なりますし、先ほど来議論がありましたが、やっている内容も、乳幼児の保育というものと就学前の教育施設である幼稚園とかなり異なっておりますが、こういったものをどうやって総合的に、一体的な運営ができるかということを今検討しておる最中でございます。

○横路委員 つまり、幼稚園や保育所とは別にもう一つつくるということになるわけですね、別な形のものを。

○伍藤政府参考人 その点も含めて、今、最終的にどういう形にするかというのが大変難しい問題でございます。
 今まで特区で進めてまいりましたのは、施設の共用化、一元化というのを進めてまいりましたが、多分ここで表明されているのは、今度は幼稚園と保育所という制度の一元化ということであろうと思いますので、財政負担のあり方とか利用料のあり方とか契約のあり方、そういったものを今もろもろ検討しておるところでございますので、それによって、第三の施設をつくるということになるわけでありますが、それが将来のこの一元化というか、一本化につながるものか、どういう形になるかというのは、これからのでき上がった施設がどんな位置づけになるかということによってくるんだというふうに思っております。

○横路委員 そうしたら本当に二元化から三元化になりますよね。何でそんなまた新しいものをつくらなきゃいけないんですか。今の幼保一元化の流れでちゃんと整理すればいいじゃないですか。金子さん、どうですか。

○金子国務大臣 今の厚労省の局長のお話のとおり、どういう施設にしていくのか、二元化、三元化じゃなくて、その中身をどういうふうにしていくのかというのについて、今、厚労省、文部省が検討する。必ずしも三元化ということではないというふうに私はちょっと受けとめております。

○横路委員 これは、政府は当初、幼稚園の予算も保育所の予算も国の補助金を一括交付金にしようという考えがあって、それに猛反対したわけですね、つまり幼稚園も保育所もというのは、厚生労働省も文部科学省も。それでこれは出てきた構想なんですね。
 ですから、これをつくっておいて、あと全部、幼稚園と保育所をそこに吸収するつもりなのか、今の幼稚園や保育所の制度をなくして。そういうつもりなのか、併存させるつもりなのか。これは全然方向性が違ってくるわけなんですが。どんなことを考えているのか、ちょっと出されている資料を見てもよくわからないんですけれどもね、これは。
 例えば、新しい総合施設だからといって、何か新しい施設がまた誕生するんだ、それに対する補助制度ができてみたいなことを期待している人もいるようです。そうじゃなくて、いやいや、既存のものでもって、今、幼保一元化で進めているものを総合施設として位置づけていけばいいんだという話もありますが。
 今の一元化の話の中で進めていることを超えた、それ以上の何かものというのがここにやはり出てこなければ、新しいものをつくる意味合いというのはないわけでしょう。この辺のところはどんな議論になっているんですか。

○伍藤政府参考人 一元化と先ほど申し上げましたように、今まで施設をできるだけ共用してやっていくという施設の一元化ということは進めてきたわけでありますが、それが必要とされるのは、典型的に言いますと、過疎地で幼稚園も保育所も定員割れをしておる、一カ所でそういう人を対象にした方が効率的であるというようなケースと、それから、大都市部において、保育所は待機児童があふれて待っておる、しかし、幼稚園はあるけれども、幼稚園は必ずしもそうでもない、場合によっては定員を満たしていないようなところもあるというようなところで、それを有機的にもう少し活用できないかというのが実態論としては非常に大きな議論でございます。こういったことにどうやってこたえていくかというのが当面の現実的なニーズではないかというふうに思っておりますので、こういったものにまずこたえられるような施設を考えるということが必要なんではないかと思います。
 それから、保育所、幼稚園はそれぞれ個別にそれなりの役割を今果たしておるわけでありますし、そこをすべて一気に別の施設類型にしなければならないというような必要性とか意見というのは必ずしも我々は聞いていないわけでありまして、まず、現実のニーズ、必要性があるところは何であって、それにどうこたえていくかということを検討すべきことではないかなというふうに私どもは考えておるところでございます。

○横路委員 つまり、今の幼保一元化の流れではそういういろいろなニーズを吸収できない、だから新しい制度をつくるという話になるんですか。ただ、今お話があったように、必ずしもそういうものを聞いていないとおっしゃったけれども。
 ですから、金子さん、構造特区の中でいろんな意見、幼保一元化についてたくさん出ています。それを少しずつ見ながらやってきたわけでしょう。もちろん、幼保一元化の中でやはり子供のことをまず第一に考えなければいけませんから、確かに幼稚園や保育所というのは、働いている人の時間だって、片方は四時間から五時間ぐらい、こっちは十一時間とか長いわけですね。そういう違いというのはあるわけです。
 しかし、そういうことをしっかり踏まえた上でどうするかというのは、施設ばかりじゃなくて、教員の面からも、一緒にやっていこうという方向性でのいろんな議論というのは出てきていますでしょう。保育所の保育士の資格や幼稚園の教員の資格についても、できるだけ同じなような、教育課程を見ますと、大学、短大、ほとんど共通のものが多いわけで、今、若い人は両方の資格を大体持っておられるというように思うんですね。
 ですから、これで新しい総合施設というのは、結局は、構造特区で進めてきたけれども、それはうまくいかなかった、失敗だったから新しいものをつくろうという話なんですよ。これはそういう話なんですよ、この総合施設というのは。いろいろと幼保一元というのを随分時間をかけてやってきたけれども、うまくいかないから、もう新しい施設、新しいものにしてしまおうということじゃないんですか。
 ですから、この総合施設というのは、悪くすると、また何か新しい補助事業を創出して、新しい施設をつくるところからやっていこうというふうに、何か、総合施設なんていうからそういうイメージを持っている人もいるようで、私は、二元、三元にならないように、今の特区で進めてきた方向性を一つずつ確認しながら進めていくということを望みたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○金子国務大臣 大事な御意見だと思っております。
 ただ、特区が失敗というよりも、やはり、特区で地域のニーズを受けながら出てくる、それに対応しているということで、今先生と私がちょっと違うなと思ったのは、特区で失敗したからという御意見だったんですが、これはそうじゃなくて、やはり地域のニーズで、両親が子供たちを預ける、こういういわば社会の利便性といったようなもの、ここをとらまえながら、総合施設も多分そういう方向で具体的に決まっていくんだろうと思っております。
 それから、御指摘のとおり、保育士と学校の先生との、免許をどうするといったようなもの、これも厚生省、文部省で検討してもらっている。地域の実情に合わせてうまくいくように、さらに進めさせていただきたいと思っております。

○横路委員 時間が来たからこれで終わりますが、医療関係の質問の時間がなくなりまして、株式会社の参入と、それから混合治療の問題について議論しようと思っていたんですが、またの機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。