野党共闘に向けて
「新政局懇談会」(横路会長)の発足会・全国交流会を開催

2002年1月17日

新政局懇談会発足にあたって
新政局懇談会     
会長 横 路 孝 弘

 私達は新しい民主党を結党してから今まで、情報交換や勉強会の場としての緩やかな集まりを持っていました。
 それは、衆参で180人も超える議員団になるとどうしても情報過疎になり、また各所属委員会の部門会議以外の分野の勉強などもおろそかになりがちだったからです。
 しかし最近の党内や日本の現状を見るとき、政治家の一人として「今のままで良いのか」と問わざるをえません。
 さわやか財団理事長である堀田力さんが、3年前だと思いますが、ある集会で「自分は治安を担当してきた検事として、こんなことを言うのはおかしいのだが、今日の日本の社会状況の中で、いま学生はいったい何をしているのだと問いたい」と発言され、「社会に不安や不満を持って抗議する学生の姿を街頭で見ることはなくなり、学校では宗教や遊びのサークルに人が集まっている」と発言されたことがあります。その通りだと思います。
 同じように、今まさに野党第一党の民主党は、どこで何をしているのだと問われていると思います。

 日本の今年のキーワードは「危機」であると思います。バブルとリストラの中でモラルが喪失し、競争と効率が強調され、弱いものが淘汰されてきました。
 その結果、家庭の絆も社会の連帯も失われつつあるのです。犯罪も凶悪犯も覚せい剤事件も児童虐待も家庭内暴力も史上最悪で、自殺者もホームレスも史上最高です。倒産や失業も増大する中で、まさに何が起きても不思議でない社会状況になっています。
 失業者350万人、失望者(職を求めることを諦めた人)は内閣府の調査で400万人、総理府の調査で568万人、それにフリーター150万〜200万人、さらに今後リストラと不良債権処理で新たに失業する人は日本総研の発表で150万人になるといわれ、これを全て加えれば、アルゼンチンの失業率の18%に近づきます。
 金融検査が徹底し、不良債権処理を行えば、倒産も増加していくのです。しかも小泉構造改革は経済の構造改革はともかく、社会の市場化も進めようとしており、医療、教育、雇用などに幅広く市場原理を貫徹させようとしています。

 小泉政権は構造改革=市場原理主義の貫徹と同時に国家主義の立場にたっています。その基本は価値観を一人一人の人間から国家へおく転換なのです。
 戦前の日本は天皇制の下で国家が中心でした。国民に政治決定に参加する権利もなく、表現の自由もなく、経済も国家が統制していました。そして国家が戦争へと導いて行ったのです。この国家中心の価値観を個人に変えたのが戦後社会です。ですから今の憲法は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が原則となっているのです。
 中曽根元総理はこのことを「日本のより良き文化や伝統を捨てて、西欧の文明に埋没したところに今日の破壊的状況があり、憲法を変えるべきだ」と主張しています。
 そして同時テロ事件をきっかけにますます国家主義に拍車がかかっているのです。

 こうした社会経済状況の中で、小泉内閣が倒れる可能性もあると考えています。そして、その時に「危機を乗り切る」という名の下に、挙国一致内閣を創ってやろうという動きが出てくる危険性があるとみています。民主党や連合はその時にどうするのでしょうか。
 こうした内閣がやることは、はっきりしています。人々の権利を制約し、大幅な賃金カットや預貯金の凍結など、国民の犠牲の上に国家を置くことになるのです。こうした状況で民主党を中心に野党の政権をつくることができるのでしょうか。幅広い国民の結集をどう考えたらよいのでしょうか。
 私達はこのことを頭の中にしっかりおきながら、準備を(政策や体制など)していかなければなりません。

 私たちは、与党をチェックし、もう一つの選択肢をしっかり示しうる政党として民主党をつくってきました。それはもう一つの保守党をつくることではなくて、やはり民主党はきちんと自民党に対抗できる政党でなくてはなりません。
 経済は自由で透明で公正な市場でも、社会は公正な社会でなくてはなりません。政府対市場、官対民という対立軸ではなくて、公的セクターと民間セクター、市民セクターの三つのセクターがネットワークをして役割分担をしていく社会。市民が主役(NPO、NGOを強調すると共に、主権者として、消費者として政府セクター、民間セクターに参加、決定、監視をしていく)の社会をめざしていかなければなりません。

 私たちが創った「新政局懇談会」は、第一に党のあり方を考え(第三の道など)、政策の提起などを進めていき、仲間との連帯と団結を強めていきます。
 第二に地方で苦労されている地方の党員や自治体議員の皆さんと連携を強め、情報交換や政策活動を行っていきます。そして来年4月の地方選挙での仲間の支援を行っていきます。
 第三に野党共闘が強まるように、若手議員を中心に連携を強めていきます。
 第四に党外のNPO、NGO、ローカルパーティ、平和フォーラムなどとも協力関係をつくっていき、平和、福祉、人権、環境問題などの運動を中心に連携を行っていきます。