「沖縄サミットで日本が率先して
核軍縮・平和への道筋を示すべきだった」


−衆院予算委で横路議員が森首相と論戦−
2000.8.2

「お祭り」に終始した森首相
 横路孝弘議員は8月2日、臨時国会の予算委員会で森首相と40分にわたってサミットでの政府の対応を中心に議論を戦わせ、外交問題における森首相の不見識、無能ぶりをあらためて浮き彫りにした。
 横路議員は、沖縄がアジア太平洋戦争の激戦地となり一般市民を含め24万人が犠牲になったことや、在日米軍基地の75%が沖縄に集中していることをあらためて指摘した上で、「沖縄は20世紀を総括して戦争への反省、21世紀を平和の世紀としていく展望を示すのにふさわしい場所だったにも関わらず、そうしたメッセージはほとんど無かった」と批判した。

沖縄サミットでの首相の対応を批判する横路孝弘 また軍拡競争を誘発すると国際世論の反発を受けているNMD(アメリカ本土防衛ミサイル網)に対して、日本政府として反対姿勢を打ち出すべきとの立場から森首相の見解をただした。
 これに対して森首相は「(世界の安定をテーマにした7月21日のワーキングディナーでも)どのような議題を取り上げましょうかと皆さんに意見を求めたが、この問題は取り上げられなかった」と、議長を単なる議事進行係と勘違いしていたかのような無責任な答弁を行った。NMDへの賛否については「(NMDを進めるアメリカ政府を)理解できる」と明言、「軍縮より対米追随」という姿勢を露わにした。

 NMDは、宇宙に設置する監視装置で敵のミサイル発射を探知し、迎撃ミサイルで打ち落とすシステム相手国が迎撃能力を上回る数のミサイルを配備しようとするなど、軍拡を促すことは必至と見られる。迎撃実験はこれまで3回中2回失敗、技術的な実現可能性にも問題を残しており、米政府は7月、配備の決定を先送りした。中国、ロシア、欧州諸国がNMDに反対または懸念を表明している中で、日本政府はNMDの同盟国版であるTMD(戦域ミサイル防衛)への参加に前向きな姿勢を示しているが、軍縮に逆行することに加え、莫大な財政負担も懸念されている。

対ロ交渉の不手際ただす −「背中から矢」の野中発言を首相は擁護
 横路議員は次に、9月10日にロシアのプーチン大統領が訪日することに関連して北方領土問題と平和条約について取り上げた。
 この問題については、細川首相当時、「領土問題を解決してから平和条約を締結する」という内容の東京宣言がまとまり、その後はこの宣言を前提に2000年(今年)までに平和条約を締結することを目的にして外交交渉が行われてきた。

      衆院予算委(8月2日)での横路と森首相との論戦の様子

 横路議員は、9月3日に河野外相とロシアのイワノフ外相がバンコクで交渉を始めようとしていたときに、自民党の野中幹事長が、領土問題を棚上げして友好条約を作るという提案を行ったことについて「いよいよ交渉が始まるというときに、これでは外交交渉にならない」と批判し、野中発言に対する森首相の見解をただした。
 森首相は「東京宣言を前提に議論していくことは当然」と答えながらも、「日ロ関係を発展させていこうという熱意の表れ」と野中発言を擁護する一方で、「(自民党の)役員会の中でこの問題について議論もきちっとして、統一をいただいている」という矛盾した答弁で開き直るだけだった。

 質問を終えた横路議員は「今回の沖縄サミットは、総理大臣は歴史認識や時代認識、未来への展望、地球のこと、人類のことをしっかり考えることができる人でなければダメだということを示した。自民党には外交も任せられないということがあらためて明らかになった」と感想を語った。

(記事提供:民主党札幌 議事録全文はこちら