「歴史の共有」でアジア諸国と平和外交を!
「一日も早い発見を!」実習船衝突事故でお見舞い
2001.2.11

 「建国記念日」の2月11日、「紀元節復活反対2・11北海道集会」(主催:北海道平和運動フォーラム他)が札幌市内で開かれ、講師として出席した横路孝弘は「21世紀を迎え、日本国憲法の現状を考える」と題して講演しました。
講演する横路孝弘
米国に対し誠意ある対応を要求
 講演の冒頭、愛媛県立宇和島水産高校の漁業実習船「えひめ丸」が、アメリカ海軍の原潜「グリーンビル」に衝突され沈没した事故について、「事故に遭われた実習生、教諭、えひめ丸の乗員の皆様、およびそのご家族・関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、行方不明の方々が一日も早く発見されますようお祈り致します。また米国政府に対して行方不明者の早期発見のため、あらゆる措置を尽くすよう要望します。私ども民主党は、米国政府に対して、事故原因と責任の究明に誠意ある対応を要求し、日本政府に対しても毅然とした折衝を求めます」と述べました。

日本の社会が崩壊に向かっている
 講演の中で横路は、資料を用いて最近の日本の社会状況を説明。「景気の低迷は我々国民の限界に迫っています。完全失業者、企業倒産、自己破産、自殺者、生活保護、ホームレスの数は増加の一途を辿り、また窃盗、凶悪犯罪が急増しているとともに、ストーカー相談や児童虐待も増えてきています。まさに日本の社会はいろんなところで崩壊に向かっているのです」と、底なしの不景気と社会秩序の悪化を指摘しました。
 日本企業の経営体質についても「企業が安易に人件費削減・リストラしたことも社会崩壊の一因。経験豊かな中堅層の技術者をリストラしたことにより、JCO事故や雪印の食中毒事件、鉄道のトンネル崩落事故が起きてしまった。今まで社員や従業員を大事にしてきた日本企業の良い点が失われつつある」と批判。

弱肉強食型社会は日本に合わない
 そして「バブル以降の10年はまさに日本の良さを失った10年だった。バブル景気で金まみれになって、我々日本人の良い点である『努力』『責任感』『誠実さ』『協調』を忘れて、みんなギャンブラーになってしまった。モラルを完全に失ってしまった」とも述べました。
 経済構造については「株主中心のアメリカンスタンダードは日本の慣習に合わない。アメリカの市場主義は弱肉強食型であり、資産や所得の二極化が進み、金持ちはより金持ちに、貧しい人は一層貧しくなってしまう。日本をそんな社会にしてはいけない」と今後の経済改革の進め方に警鐘を鳴らしました。

講演する横路孝弘
『歴史の共有』でヨーロッパ統一実現
 また戦後の欧州の歴史認識について「欧州諸国はもう二度と戦争を起こすまいという反省から、ドイツとフランスを中心に50年かけて地道に欧州統一、つまりEU創設に努力した。これが実現できたのも、歴史教科書のつき合わせを行ない、お互い歴史を納得できるものにしていくという『歴史の共有』があったから」と欧州の教科書づくりを評価。

歴史教科書の改ざんを強く批判
 太平洋戦争で悲惨な歴史を残したアジア諸国と日本との関係についても、『歴史の共有』が今後の平和外交に必要であると述べるとともに、「最近、歴史を改ざんし、そんな教科書づくりを進めている動きもある。これは新しいナショナリズム、排外主義であり、非常に危険だ」と日本の植民地支配・侵略戦争を正当化する教科書の採用を画策している「新しい歴史教科書をつくる会」や、教科書選定基準の見直しを推し進めている自民党などの活動を強く批判。そして「政府がやらないなら私たちがやってもいい」と互いの歴史専門家が問題点を提示し、納得できる歴史の記述に直すことを提案しました。
 また、国会での憲法改正の議論について、「憲法を改正しなければ出来ないことは集団的自衛権の行使と首相公選制ぐらいで、それ以外は法律でほとんど対応できる」と述べ、憲法改正に反対する姿勢を示しました。

緊急抗議アピールも
 約200人が参加した集会では、実習船と米軍原潜の衝突事故について、「世界の憲兵を標榜する米国の思い通りの軍事行動の拡大が今回の事故につながった。世界の緊張緩和に向け、米国に本格的な軍縮の道を選択するよう強く求める」と抗議する緊急アピールも採択されました。
(一部記事提供:民主党札幌)